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「ひそかに狙っていた」広島新スタ初陣の主役は新戦力FW大橋祐紀!! 鮮やか2発にお立ち台でも観客魅了

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FW大橋祐紀

[2.23 J1第1節 広島 2-0 浦和 Eピース]

 サンフレッチェ広島にとって長年の悲願だったサッカー専用スタジアムの初陣で、新加入のストライカーが輝いた。

 湘南ベルマーレから加入したFW大橋祐紀はJ1開幕節の前半45分、ミドルシュートのこぼれ球に詰めて先制点を奪うと、後半10分にはFW加藤陸次樹からのクロスにヘディングで合わせて追加点を奪取。「ひそかに狙っていた」という2年連続の開幕戦ハットトリックこそならなかったが、満員の華試合で誰もが認める主役となった。

 大橋は昨季のJ1リーグ戦で負傷離脱もありながら23試合13得点を記録し、湘南ベルマーレのJ1残留に大きく貢献したFW。今季は優勝候補の一角と目される広島に加入し、3-4-2-1の右シャドーの定位置を掴んだ。

 そして0-0で迎えた前半45分、苦笑い気味に「誰も思っていなかったかもしれないけど、ひそかに狙っていた」と振り返る新スタジアム初ゴールを挙げた。MF川村拓夢のミドルシュートがGK西川周作の手を弾くと、大橋はストライカーらしくこぼれ球に詰めてシュート。最後は「西川選手が反応していたので、越さないと入らないと思って打った」という冷静かつ精密なキックでニア上に突き刺した。

 栄えある新スタ初ゴールとなったが、大橋はその後も止まらなかった。後半8分には新戦力であることを感じさせない連動したハイプレスでボールを奪い、エリア内でのファウルを誘ってPKを獲得。キッカーを志願したFWピエロス・ソティリウのキックが枠を外れてチャンスを逃し、その時点ではやや嫌なムードも漂ったが、同10分には中央大の後輩の加藤から送られたクロスを正確なヘディングシュートで決めた。

 PKを自らが蹴っていれば、この時点で昨季の開幕節・鳥栖戦に続くハットトリックの可能性もあったが、大橋はソティリウを責めることはしなかった。「(PKは)もちろん蹴りたかった部分があって、でもピエロスも蹴りたがったので話し合いながら。でも(外した後に)チームとして2点目がすぐ取れたのは良かった」。淡々と振り返りつつ、「もっともっとゴールを取れる選手になりたい」と悔やむよりも前を向いていた。

 その後はゴールを奪えずにハットトリックこそ逃したものの、大橋の2ゴールが勝負を決めてチームは2-0で勝利。同じく優勝候補とみられていた浦和との対決を制し、開幕ダッシュに成功した。また新スタジアムでは初となる試合後のフラッシュインタビューでは新スタジアムに立った喜びを率直に表現し、お立ち台でもサポーターの心を掴んだ。

「2点を取ることができて、チームの勝利に貢献できたことが嬉しい。でもまずそれはさておいて、新スタジアムという歴史的な日に、ピッチに新加入ながら立った。多くの方が尽力して素晴らしいスタジアムを作ってくれたと思うので、それに恥じないようにプレーしたいと思い、この一戦にかけて臨みました」(大橋)

 その一方、自身のパフォーマンスについては控えめに喜んだ。メモリアルマッチでの大活躍にも「1試合1試合が特別な試合だと思っているので、全てに向けて調整したいし、自分を高めていけるように練習からやっていきたい」と浮かれず。優勝候補対決を制したことで期待は高まるが、「まだ1試合なので次の試合に勝てるようにそこに向かっていきたい」と冷静に次の一戦を見つめていた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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