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J1初挑戦ながら存在感放つ新潟MF宮本英治、「あせらずに着実に」JFLから辿り着いたJ1リーグへの道のり

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MF宮本英治

[3.16 J1第4節 東京V 2-2 新潟 味スタ]

 新天地での初J1リーグながら、冷静に存在感を放ち続けている。アルビレックス新潟MF宮本英治は今季4試合中3試合でフル出場。東京ヴェルディ戦では終了間際に追いつかれたが「最後の締め方が緩かったが、アウェーで勝ち点1を取れたことは最低限。そんなに悲観する内容ではなかった」と前を向いた。

 いわきFCから今シーズンに加入し、開幕戦でJ1デビュー。第2節ではベンチに終わったが、今節は前節に続いて先発入りを果たした。中盤の底でMF秋山裕紀との2ボランチを形成。2人で攻守を入れ替えながら、試合運ぶを安定させた。

 特筆すべきは守備面。東京Vが前に運ぼうとする場面で顔を出し、MF森田晃樹やFW木村勇大らからボールを奪取し続けた。「相手の前に出てきたボールを自分が摘んで、連続攻撃ができるようにということは意識した」。ボールを持ったときにはすばやい判断で攻撃を展開。前半45分には中盤からアウトサイドキックでスルーパスを出し、MF小見洋太のチャンスにつなげた。

 国士舘大を卒業後、2021シーズンからいわきFCに加入した。初年度はJFLでリーグ戦30試合に出場。2年目はJ3リーグで全試合出場を果たす。J2リーグに昇格した昨季は出場停止で1試合欠場したが、残り41試合は先発出場。各カテゴリーを戦い抜き、今季から初のJ1リーグ挑戦となった。

 大卒選手として、自分より上のカテゴリーからスタートした選手も多かった。しかし宮本はあせらず、自身の成長スピードに合わせて先を見据えていたという。

「当時は自分もJ1やJ2に行きたいとは思ったけど、行った先で苦労する選手もいる。すぐデビューして活躍する選手もいるけど、長続きしない選手もやっぱりたくさんいる。自分はあせらずに着実に。体も細かったので、いわきFCで体作りから始めて、食事や睡眠というサッカー選手にとって本当に必要なことを勉強させてもらった。ちゃんとサッカー選手として戦える知識や体を身に着けられた。そこが年々積み重なって、カテゴリーもひとつずつ上がって、すごくいい状態でここまで来れた」

 今シーズンは開幕戦で先発デビューしてフル出場。「ワクワクしている部分と不安な部分はもちろんあった。でも開幕戦の感触としては意外とやれるなと。チームも勝てたので、そこで自分のなかでは勢いづいた」。チーム1点目をアシストする活躍を見せ、攻守ともに大きく貢献した。

 ここまで3試合をフル出場で終え、J1での自信も芽生えてきた。「自分のポジションは結果が出づらい場所」としつつも「具体的な目標ではゴールとアシストで5点ずつくらいは取れたら」と意欲。「チームとしてはてっぺんを目指している。自分が結果で少しでも貢献できればいいと思う」と謙虚に高みを見据えていた。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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