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シュート26本!攻撃陣爆発の川崎F、進撃止まらず(川崎Fvs新潟)

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[8.28 J1第23節 川崎F 4-1 新潟 等々力]

 開幕前から前評判の高かった川崎フロンターレのエンジンが一気に回転数を上げてきた。FW黒津勝、FW鄭大世のゴールなど新潟を4-1で下し、これで7戦負けなし。最大11あった首位との勝ち点差はついに2にまで縮まった。
 このチームの決定機を作り出す能力はやはり高い。新潟戦では前半10分に日本代表MF中村憲剛からのループパス一本で相手DFを打開。鄭、MFヴィトール・ジュニオールの決定的なシュートは立て続けにブロックされたが、それでもお構いなし。22分に絶妙なボディーコントロールで対面のDFをかわした黒津のドリブルシュートで先制すると、37分には右CKをDF伊藤宏樹が頭で突き刺し2-0とした。再三左サイドで好パスを受けていたFWジュニーニョの6本を筆頭にシュート数は前半だけで15本。2点を加えた後半終了時にはその数は26にまで増加していた。
 昨年の得点王・ジュニーニョに北朝鮮代表の鄭、日本代表候補の黒津の3トップにアシスト能力に秀でた中村、今季得点力を爆発させている五輪代表の谷口と戦力は充実。これに展開力、決定力ともに備えたヴィトールが加わった7月下旬からは一度も負けていない。さらに本来は攻撃的なMFの村上和弘、山岸智がSBを務める超攻撃的布陣。DF寺田周平、DF井川祐輔、MF森勇介と守備力の高い主力組を故障で欠きながら、攻め勝って勝ち点を奪い続けている。
 そしてこの日の圧勝で首位との勝ち点差は2に。だが、主将の伊藤は「これで満足している奴なんて一人もいないはず」と気を引き締める。そして「今のメンツだったらもっとできる」と力を込めた。昨年はナビスコ杯決勝で敗れ、一昨年はリーグ戦2位。鄭は「優勝争いの悔しい経験はもうしてきた。優勝へのモチベーションは何の問題もない」。黒津も「あとは上狙うだけ」と意気込んだ。次戦は2位の鹿島が対戦相手。わずかな差でタイトルを逃してきた「無冠の実力派軍団」は、爆発的な攻撃力で難敵突破を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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