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[ナビスコ杯]監督会見要旨

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[11.1 ナビスコ杯決勝 大分2-0清水 国立]

 ナビスコ杯は1日、東京・国立競技場で決勝を行い、大分トリニータと清水エスパルスが対戦。大分らしい堅守で清水の攻撃を無失点に抑えると、後半23分にFW高松大樹、同44分にFWウェズレイがそれぞれゴールを決め、2-0で勝ってナビスコ杯初制覇を飾り、クラブ史上初のタイトルを獲得した。以下、監督会見要旨

<大分>
シャムスカ監督
「我々は常に上位に食い込むチームではなかった。毎年のように降格争いをしたり、苦労したチームだと思う。全ての関係者に感謝している。今日手にしたタイトルは言葉では表せないほどの深い重みがある。
 我々の街から(東京は)はるか遠い距離があるところ。でもサポーターは距離も関係なく駆けつけてくれた。我々がピッチで結果を出すことを信じて来てくれたに違いない。そしてホームの雰囲気を作ってくれた」

―清水の攻撃を抑える上で気をつけたことは?
「相手の2トップの動き。一番いいタイミングで、DFの背後に斜めに入ってくる。この動きが素晴らしい。心がけたのは我々の攻撃のときもDFを押し上げ、コンパクトさを保つこと。ロングボールがDFの裏をついてくることに気をつけて、分かっているタイミングで跳ね返した。
 あと、枝村がFWのラインに入ってきて3トップになることがある。3対3を作られないように、どういう風に4対3の状況を作るか、選手たちに説明していた。選手たちもうまく機能してくれた」

―歴史のないクラブを監督が勝たせたとも言えると思うが?
「ここまではタイトルを狙えるチームではなかった。クラブにはそれほどお金がない。施設も整っていない。選手云々よりも歴史の深いクラブではない。ただ、選手の持っているレベルは十分タイトルを狙えるところにあると思っていた。選手は自分の力を出してタイトルに手が届いた。タイトルを狙う力があることを証明してくれた」

―九州勢にとって初タイトルだが?
「九州のチームがタイトルを取ったということは快挙だと思う。いい影響を与えるだろう。日本全体のチームのレベルアップにもつながるだろうし、九州のチームの力を証明できたと思う」

―今日の試合前はいつもどおりだったか?それとも特別なことをしたか?
「清水というチームは最近の調子を見ると、互角の戦いになると思っていた。今日へ向けては普段と同じ練習をしてきた。ただ決勝という試合へ向けたミーティングでは、どこで勝敗を分けるのか理解させることが必要。そこには気をつけた。
 また選手の期待、不安などモチベーションはいつも以上となる。パフォーマンスを出す一番いいレベルがあって、これを越えてしまうとダメ。気持ちのレベルのコントロールには気をつけた」

―優勝したが今後自身のサッカーをどのようにしたいか?
「今日タイトルを取ったことは、我々にとってこれから先の自信につながる大きなものだった。チームの連係も上がると思う。今日は初タイトルの余韻に浸りたい。(天皇杯4回戦前日の)火曜日まではゆっくりと余韻に浸りたい。天皇杯はベストメンバーではいけないかと思うが、千葉戦に勝負していきたい」

<清水>
長谷川健太監督
「精一杯この試合に勝つために戦った。何が何でも勝ちたかったし、勝たなくてはいけなかった。勝てなかったのは、私自身に力がなかったから。悔しい。勝たせてあげられなかった選手に申し訳ない。サポーターに勝利の味を味あわせられなかったのは申し訳ない。残念がってもしょうがないのは分かっているけど、悔しいし情けない以外何もない。サポーターの期待に応えられなかった。次の機会があればサポーターとともに喜びを分かちあいたい」

―敗戦の原因は相手がよかった?それとも自分たちにあった?
「自分たちに原因があった。市川を入れるタイミングがひとつのポイントだった。そろそろと思いながらも先に点を取られてしまった。延長、PKまであるという中で先に動くかどうか。サイドを活性化できなかったのは問題があったと思う」

―市川投入までサイド攻撃がほとんどなかったのは指示によるものか?
「岩下にしても児玉にしても行くなとは言っていない。それを選手交代で活性化できなかった」

―チームには硬さがあったのか?枝村もほとんどボールに触っていなかったが?
「もちろん相手に抑えられていたところもあるが、硬さもあってかいつものプレーができていなかった」

<写真>共に力を出し切った両監督

(取材・文 吉田太郎)

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