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J1王者vsJ2王者の激突は後半ロスタイムに興梠が劇的決勝弾

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[3.22 J1第3節 鹿島2-1広島 カシマ]

 J1第3節は22日、残り4試合を行い、カシマスタジアムでは鹿島アントラーズサンフレッチェ広島が対戦した。昨季のJ1王者とJ2王者の激突は、前半15分にMF本山雅志が先制ゴールを決めて鹿島が先制。広島も後半16分にDFストヤノフのPKで追いついたが、1-1の後半ロスタイム、途中出場のFW興梠慎三が劇的ゴールを決め、鹿島が2-1で競り勝った。

 鹿島は4-4-2のシステムで、GK曽ヶ端準、4バックは右から内田篤人、岩政大樹、伊野波雅彦、パク・チュホと並んだ。中盤は小笠原満男と青木剛のダブルボランチで、右に野沢拓也、左に本山雅志。2トップは大迫勇也とマルキーニョスで、大迫がリーグ初先発を飾った。18日のACL上海申花戦(2-0)からの流れを重視し、上海戦で負傷したMFダニーロ以外は同じメンバーだった。
 広島は3-6-1で、GK佐藤昭大、3バックは右から森脇良太、ストヤノフ、槙野智章。中盤は森崎和幸と青山敏弘のダブルボランチ、右にミキッチ、左に服部公太、トップ下に高萩洋次郎と柏木陽介が入り、佐藤寿人の1トップだった。

 最初のビッグチャンスは鹿島に訪れた。前半3分、広島のバックパスがミスパスとなり、ゴール前でフリーの大迫の足元へ転がってきた。大迫はとっさに走り込んできたマルキーニョスにスルーしたが、マルキーニョスのドリブルはDFにカットされた。大迫にもマルキーニョスにもシュートを打てるタイミングがあっただけにもったいなかった。
 それでも鹿島は前半15分、先制に成功する。FKのこぼれ球を大迫がシュート。DFのブロックにはね返ったボールをもう一度つなぎ、最後は本山がPA外から右足でミドルシュートを放つと、これがDFに当たってゴールマウスへ吸い込まれた。
 両チームともに運動量が多く、球際でも激しい肉弾戦が繰り広げられた。互いにしっかりとパスをつないで攻撃を組み立て、一瞬も気の抜けない好ゲームとなった。
 広島は3分近くボールを回す時間もあるなど徹底してショートパスをつないだ。その中で前半34分には服部の左クロスにファーサイドから飛び込んだ高萩がダイビングヘッドで合わせる決定機もつくったが、シュートはゴール上へ外れた。
 鹿島はパスを回しながらも早いタイミングで前線の2トップにボールを預け、局面の打開を図った。大迫はマークに付かれても体を張ったポストプレーでしっかりとボールをキープし、起点となっていた。

 後半も一進一退の攻防が続いた。鹿島は後半開始35秒、右サイドに開いてボールを受けた大迫が鋭い反転でDFと体を入れ替え、フリーの体勢から右クロスを送ると、本山のヘディングシュートはGKがゴールラインぎりぎりでセーブ。広島も後半6分、相手のバックパスを奪った佐藤寿がドリブルで伊野波をかわし、右足で狙ったが、ゴール左に外れた。
 膠着状態を打破するべく、広島は後半14分、一気に2人を交代する。高萩に代えてMF高柳一誠 、青山に代えてMF中島浩司を投入。するとその1分後、ドリブルでPA内に切れ込んだ佐藤寿が内田に倒され、PKを獲得。これをストヤノフが冷静にゴール左隅に沈め、1-1の同点に追いついた。
 鹿島は後半22分に本山を下げてMF増田誓志、同27分に大迫に代えてFW興梠慎三をピッチに送り込む。後半27分には野沢の右CKを岩政が頭でつなぎ、マルキーニョスがバックヘッドでゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定だった。
 終盤に入って攻勢を強めたのは鹿島。後半40分、ストヤノフのパスミスをカットしたマルキーニョスの興梠へのパスもわずかにかみ合わず、チャンスを逃してしまう。そのまま1-1で終了かと思われた後半ロスタイム、小笠原の左CKを岩政が頭で落とし、興梠が右足ボレー。劇的な決勝点で鹿島がJ1王者の意地を見せ、2-1で広島を振り切った。

<写真>劇的な決勝点を決めた鹿島FW興梠
(取材・文 西山紘平)

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[鹿]1/2/3/4/5
[広]1/2/3/4

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