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「公平性」を重視、鹿島vs川崎Fは1-3の後半29分から再開

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 Jリーグ理事会が15日、都内のJFAハウスで行われ、大雨によるピッチコンディション不良のため中止となった12日の鹿島アントラーズ川崎フロンターレの試合について、10月7日にカシマスタジアムで、川崎Fが3-1とリードしていた後半29分から再開することを決めた。

 約4時間半に及んだ理事会後、記者会見を行ったJリーグの鬼武健二チェアマンは「公平性を重んじて、再開しようということになった」と説明した。

 再開試合の条件は中止時点と同等とし、プレー時間は後半29分1秒からの残り16分間と、試合をさかのぼってロスタイムも取る。登録および出場選手は、中断時点と同じで、新たに補充はできない。ただし、今後ケガなどで出場が困難になった場合は、ベンチ入りしていた選手から出場選手を選出。負傷者が相次ぎ、それでもメンバーがそろわない場合に限り、選手の補充はチェアマンの判断に委ねるとした。

 交代人数も中止時点のものを適用。鹿島は2人、川崎Fはすでに3人を交代していたため、交代枠は鹿島に1つ残った状態とする。得点者、警告者も中止時点での記録を適用。12日の試合が出場停止だった川崎FのDF井川祐輔は、再開試合を引き続き出場停止とし、直近の浦和戦(19日、等々力)は出場可能。鹿島のFW興梠慎三は12日の試合で累積4枚目の警告を受けたが、この試合はまだ成立していないため、累積3枚の状態で19日の横浜FM戦を迎え、10月7日の再開試合終了後に12日の試合で受けた警告を加算する。
(後半29分時点での途中経過記録はコチラ)

 問題となった試合は前半途中から降り出した雨が徐々に激しさを増し、川崎Fが3-1とリードしていた後半29分に中断。約30分たっても天候が回復せず、ピッチコンディション不良のため中止となった。Jリーグの規約では、中止された試合は原則、ノーゲームとなり、後日0-0から再試合を行うことになっていたが、今回のケースは残り時間が16分で、点差も2点開いていたことから“特例”として理事会に諮っていた。

 理事会では(1)規約に則り、0-0から再試合を行う(2)74分経過していることから1-3で試合を成立させる(3)残り16分の状態から試合を再開する――の3つの意見をもとに議論されたが、最終的には多数決ではなく、「議論の末にそれ(後半29分から再開)でいこうと、全員一致を得た」(鬼武チェアマン)という。

 12日の試合を担当した岡田正義主審の試合中止の判断について鬼武チェアマンは「理事会では、審判団などの判断についての議論は多くなかった。1つ、2つ“なぜ、こうなったのか”という質問が出たぐらい」と説明。「レフリーの判断は難しい。私も現場にいたわけではないし、とやかく一概には言えない。現場の人間の判断を尊重すべきだと今でも思っている」と話すにとどまった。

 また、10月7日の再開試合の翌日には、日本代表のアジア杯予選・香港戦(アウスタ)があるが、Jリーグ事務局は「日本サッカー協会とも話をして、こちらの試合を優先していただくことになった」と説明した。

(取材・文 西山紘平)

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