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[2010Jの新星たち_7]DF石川大徳(流通経済大→広島)

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連載:2010Jの新星たち_7

[12.23 全日本大学選手権準々決勝 流通経済大1-1(PK3-5)関西大 平塚]

 最後は笑顔で後輩にエールを送った。PK戦の末、関西大に敗れた流通経済大。DF石川大徳(4年)にとっても大学ラストマッチとなったが、試合後は涙を見せることなく、気丈に振る舞った。

 卒業する4年生のためにも優勝で締めくくりたい――。後輩たちの願いも奮闘も及ばず、準々決勝敗退が決まった。泣き崩れる後輩を励ましたのが石川ら4年生だった。

 「仲間のみんなに涙は似合わない。笑って終わろうとロッカールームでも話しました。僕ら4年生がそういう姿を見せないといけないと思うので。来年こそ、こいつらならやってくれます。僕はそれを信じています」。石川は胸を張って答えた。

 痛めていた左太腿裏の状態は万全ではなかった。1回戦を欠場し、この日は110分間フル出場を果たしたが、患部はテーピングで痛々しく固められていた。それでも再三のオーバーラップでチャンスを演出。決定機の数では相手を上回っていた。

 大学サッカーの終わりは、プロの始まりでもある。来年はサンフレッチェ広島への入団が内定している。1月中旬に新加入・新体制発表会見があり、チームは始動するが、当面は左太腿の治療に専念。万全の状態でプロ生活を開始するつもりだ。

 「1年目から試合に出ることが、これまでお世話になった人への恩返しになると思う。自分が試合に出ることで、“頑張っているな”と思ってもらいたい」。Jリーグに舞台を移しても、右サイドを疾走する石川の姿は変わらない。

<写真>先発フル出場した流通経済大のDF石川大徳。左足には痛々しいテーピングも

(取材・文 西山紘平)

特設:大学選手権09

※この連載は2010年にJクラブへ入団することが内定している選手たちを不定期に紹介していく予定です。

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