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審判委員会が「手の不正な使用」を解説、「日本は世界から遅れている」

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 日本サッカー協会審判委員会によるJFAメディアカンファレンスが4日、都内のJFAハウスで行われ、2010年シーズンの判定基準が解説された。各クラブを対象としたルール講習会で使用している「スタンダードビデオ」が用いられ、あらためて「手の不正な使用」に関して厳格にファウルを取ることが説明された。

 2月27日の富士ゼロックススーパー杯で前半18分に鹿島にPKが与えられたシーンも映像を用いて解説し、ガンバ大阪のDF菅沼駿哉がボールと関係のないところで鹿島アントラーズのDFイ・ジョンスを両腕で抱え込むようにして抑え込んだホールディングの反則としてPKを取った西村雄一主審の判定は正しかったと説明した。

 審判委員会の小幡真一郎チーフレフェリーインストラクターによると、ユース年代でもこうした「手の不正な使用」によるファウルが横行しており、審判員が正しく反則を取れていないという。今季、Jリーグで厳格に取る方針を決めたことについて「子供たちに真似をしてほしくないし、手で抑えるのはサッカーではない。きちんとフィジカルコンタクトが生まれるプレーをしてほしい」と説明した。

 欧州などでは手を使わず、正当なチャージによるディフェンステクニックが磨かれており、審判と選手、両方の意識として松崎康弘審判員長は「日本は世界から遅れている」と指摘した。カンファレンスではSBS杯からユース年代の日本とフランスの試合の映像が流れたが、日本の選手が相手のドリブルを止める際、むやみに手を使ってファウルを取られているのに対し、フランスの選手は体を使った正当なチャージで日本の攻撃を抑え込んでいるシーンも多数見られた。

 小幡氏は「しばらくはファウルが増え、プレーが止まっている時間が増えるかもしれない。ただ、いいサッカーをするための準備期間と考えている。レフェリーには“今シーズンはこれを一貫してやり切ろう”と話している。もちろん、神経質になってはいけないし、そればかり見るなとも言っている」と語った。

(取材・文 西山紘平)

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