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降格の責任を感じていたルーキー田中、初ゴールに「頭が真っ白」

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[5.2 J2第10節 柏1-0愛媛 柏]

 柏レイソルに唯一のゴールをもたらしたFW田中順也は試合後も興奮が収まらないままだった。前半30分、左サイドからのMF澤昌克のマイナスの折り返しに走り込み、豪快に左足を振り抜く弾丸シュート。「無我夢中で、とりあえず足に当たってくれと思って思い切り蹴った。自分が打ったんじゃないんじゃないかと思うぐらい頭の中が真っ白になって、本当にうれしかった」と念願のプロ初ゴールを喜んだ。

 今季順天堂大から入団したルーキーだが、昨季も特別指定選手としてJ1の9試合に出場していた。ネルシーニョ監督の期待も大きく、残留争いの渦中でも出場機会を与えられていたが、ゴールを決めることができず、チームもJ2に降格。「自分が点を取っていれば、勝てた試合もあった。J2に降格したのは自分の責任でもある」と、ひと足早いJデビュー以上に無得点に終わった悔しさが大きかった。

 昨季から通じて通算12試合目の出場での待望の初ゴール。「長かったですね。ほんとはルーキーで、プロになって3ヵ月ぐらいと言いたいけど、去年からお世話になっているから。去年から本当に迷惑ばっかかけて、やっと少し貢献できたかなと思う」と感慨深げだった。

 今季も開幕戦に先発出場しながら、その後は5試合連続でベンチ外となった。前々節の鳥栖戦に途中出場し、前節はベンチを温めて終わった。MF大津祐樹の負傷離脱などもあり、めぐってきたチャンス。「今日は本当に結果を出したいと思っていた。スタメンを奪いたい気持ちが強かった。1点取れて、もう一段階成長できると思う。点を取れたのは大きいし、次も取りたい。どんどん取ります」。重い肩の荷が下りたかのように、すがすがしい笑顔でゴール量産を誓っていた。

<写真>柏FW田中
(取材・文 西山紘平)

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