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F東京、城福監督の解任と前日本代表コーチ・大熊清氏の新監督就任を発表

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 FC東京は19日、成績不振を理由に城福浩監督を解任し、前日本代表コーチの大熊清氏が新監督に就任すると発表した。大熊氏は東京ガス時代の1995年から2001年までF東京の監督を務めていた。

 また奥原崇コーチが退任し、東京U-15深川の長澤徹監督がトップチームのコーチに復帰することも併せて発表された。今季のシーズン中の監督交代は大宮、京都、神戸に続いて4人目となった。

 F東京は今季、大分から若手期待のDF森重真人、U-20韓国代表DFキム・ヨングン、U-20ブラジル代表FWリカルジーニョ、新潟からMF松下年宏らを獲得。昨季はリーグ戦5位、ナビスコ杯優勝の成績を残し、就任3年目となる今季は初のリーグ制覇が期待された。

 城福監督も「W杯後の日本サッカー界の主役になりたい。サッカー産業を大きくするには首都のチームが真の意味での優勝争いをしないといけない」と情熱を注ぎ、最終節まで優勝争いし、そして優勝を掴むことを目標に掲げていた。

 しかし、開幕からなかなか調子が上向かず、順位を上げることができなかった。開幕前から“申し子”のMF米本拓司を怪我で欠いた不運もあった。シーズン途中には元日本代表FW大黒将志を補強したが、主力選手に怪我人が出たことや日本代表DF長友佑都がセリエAに移籍したこともあり、なかなか流れを変えることはできなかった。

 18日の磐田戦も1-2で敗れて最近9試合連続で勝ち星から見放され、順位も暫定15位と後退した。この日の仙台の結果次第では、16位とJ2降格圏に突入するという緊急事態だった。

 クラブはこの危機を打開するため、18日深夜に城福監督の解任を最終決断。この日の午前中、選手たちに通達された。後任は、元監督でその後も長年、F東京の強化部に籍を置くなどクラブを良く知っている、なおかつ日本代表でオシム監督、岡田武史監督の下でコーチを務めるなど、実績を積んだ大熊氏に託した。この日、大熊氏はクラブハウスを訪れて選手や関係者に挨拶し意気込みを語ったが、チームをどう再建させるか手腕に注目が集まる。

以下、大熊氏と城福氏のコメント

大熊清新監督
「サッカーの原点・本質をもう一度見直し、責任ある試合やプレーをして、ご支援を頂いている関係者の皆さまやファン・サポーターの期待に応えられるように全力で頑張りますので、応援よろしくお願いいたします」

城福浩
「この2年9カ月、選手から学び、選手と過ごせることに誇りを感じながら毎日過ごしてきました。関わった全ての選手にお礼を言いたいと思います。そして、彼らの成功を祈っています。また、一緒に闘い続けてくれた現場スタッフ、クラブスタッフ、そしていつ如何なる時もチームを支えてくれたFC東京のファン・サポーターの皆さまに感謝申し上げます。本当にありがとうございました」

城福浩
(じょうふく ひろし)
【生年月日】
1961年3月21日(49歳)
【出身】
徳島県
【略歴】
1979年:徳島県立城北高等学校卒業
1983年:早稲田大学教育学部卒業
1983年:富士通株式会社入社
1998年:東京ガスサッカー部
※プロ化することになり準備組織に入る。S級受講
1999年:FC東京
(1999年)育成普及部長
(2000年~)育成部長
(2005年~)育成部
(2007年)強化部
(2008年~)FC東京トップチーム監督
【実績】
≪タイトル≫
2009年:ヤマザキナビスコカップ優勝
2010年:スルガ銀行チャンピオンシップ2010TOKYO優勝
≪J1リーグ戦戦績≫
2008年:リーグ戦16勝7分11敗(6位)
2009年:リーグ戦16勝5分13敗(5位)
2010年:リーグ戦4勝9分10敗(15位)
通算:36勝21分34敗
※9月18日現在

以上

(文 近藤安弘)

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