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F東京、初のJ2降格。京都に0-2の完敗……

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[12.4 J1第34節 京都2-0F東京 西京極]

 FC東京、初のJ2降格……。J1最終節が4日に各地で行われ、京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場では京都サンガF.C.FC東京が対戦した。15位のF東京は勝てば自力でのJ1残留が決まっていたが、まさかの0-2完敗。勝ち点差1で16位だった神戸が浦和に勝利したため、FC東京は逆転でのJ2降格となった。これで来季は首都・東京からJ1クラブが消える。

 京都は4-4-2を採用。GKは守田達弥、DFラインは右から渡邉大剛、郭泰輝、水本裕貴、中村太亮。ダブルボランチは中村充孝と角田誠、2列目は右に中山博貴、左にドゥトラが入った。2トップはディエゴと柳沢敦が組んだ。

 対するF東京はMF石川直宏が負傷欠場した。さらに大熊清監督は、蓄積疲労で動きに切れがないとして、元日本代表FW大黒将志をベンチスタートさせる決断を下した。システムは4-2-3-1でGKは権田修一、DFラインは右から椋原健太、森重真人、今野泰幸、中村北斗。ダブルボランチは徳永悠平と米本拓司、2列目は右に鈴木達也、左にリカルジーニョが入った。トップ下には梶山陽平、1トップは平山相太が務めた。

 序盤、F東京はボールこそ繋いだが、硬さが見られゴール前での精度を欠いた。左のリカルジーニョがスピードを生かして持ち込むが、アイデア、連動不足でバイタルエリアを崩せなかった。対する京都はディエゴ、ドゥトラ、柳沢を生かしたカウンターを狙った。ボールがうまくつながった時は迫力があったが、周囲のフォローや連動性がなく、シュートまで行く機会は少なかった。

 それでも最初にチャンスを作ったのは京都。中央でこぼれ球を拾いスルーパス。これにドゥトラが走り込みフリーでシュートした。F東京はこれを今野がスライディングで何とかブロック。失点を防いだ。F東京は平山のポストプレーから打開策を探る。前半16分には平山が中央でボールを奪い、そのまま突進して左足のミドルシュート。ミートしていたが、これは上に外してしまった。

 前半29分、F東京が再び好機を作る。右サイド、スローインの流れから梶山がクロス。これに平山が足を合わせるが空振りし、さらに奥のリカルジーニヨが詰めたが、シュートまではいけなかった。そんな中、京都にアクシデントが起きた。直前のプレーで足を痛めた角田がプレー続行不可能となり、同33分にMF安藤淳が代わって送り出された。

 だが、F東京はこの状況から流れを引き寄せられなかった。反対に、悪夢が訪れた。前半34分、京都は左サイドからのスローインをディエゴがうまく落とし、中村太亮が丁寧なクロス。これにドゥトラが走り込んでヘディングシュートし、先制ゴールを突き刺した。同じころ、残留を争う神戸が浦和から先制点をつかんだ。痛い失点を喫したF東京は前半のうちに追いつこうと攻め込むがゴールを奪えす、0-1のまま折り返した。

 後半、F東京は右サイドの鈴木をトップ下、梶山を右に回してスタート。何とか打開しようとした。同6分、左クロスのこぼれ球から平山がシュートしたが、GK守田にセーブされた。決め手を欠くF東京は後半14分、鈴木に代えてFW大黒将志を投入。平山との2トップにしてゴールを狙った。

 その後もF東京はサイドと平山のポストプレーを起点に攻め込むが、京都がカウンターで応酬した。後半17分、京都は左サイドを攻略し中央へ低いマイナスのクロス。これは攻撃陣が詰められず、F東京は命拾いをした。

 この時間帯で、残留を争う神戸が浦和に3-0でリードしていた。勝たなければいけないF東京はさらに攻撃のカードを切った。後半21分、米本に代えてMF大竹洋平を送り出した。

 F東京はハイボールも使いながら京都を押し込むが、なかなかバイタルエリアを崩せない。後半33分にはついに最後の交代カードを切る。椋原に代えてDFキム・ヨングンを投入。キムを左SBにし、右SBに中村を回した。後がないF東京は、ヘディングの強い今野を前線に上げてハイボールを入れてゴールを狙った。

 後半42分、京都は西野泰正が退場、F東京が数的有利となってさらに攻勢を強めた。しかし、京都は粘り強く守りカウンターを狙い続けた。F東京は体を張り、ゴール前に何度もボールを送るが、跳ね返されてゴールは遠い。ロスタイムの表示は4分。突入直後に、F東京にさらなる悪夢が襲った。

 京都GK守田のロングスローからドゥトラがうまくDFラインの裏を突いてゴール前へドリブル突進した。GK権田と1対1になった際、権田がPA内で倒したと判定され、PKを献上した。これをディエゴに決められ、F東京は0-2となった。

 その後も必死でボールを前に送るが、思いは通じず。終了を告げるホイッスルが鳴り響き、J2降格が決まってしまった。敵地のピッチで平山は頭を抱え、涙を流す選手も……。ナビスコ杯を2度制し、強豪の仲間入りを狙っていたFC東京だが、来季はJ2で戦う。

(取材・文 近藤安弘)

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