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ミラクル神戸!4発快勝で逆転残留!

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[12.4 J1第34節 浦和0-4神戸 埼玉]

 神戸が逆転残留!! J1第34節は4日、各地で一斉に行われ、埼玉スタジアムでは浦和レッズヴィッセル神戸が対戦。負ければJ2降格となる16位神戸は前半31分、FW吉田孝行のゴールで先制すると、後半7分にも吉田がPKで2点目。同14分にはMF朴康造、ロスタイムにもMF小川慶治朗が追加点を決め、4-0で快勝した。勝ち点1差で追う15位F東京は京都に0-2で敗戦。この結果、神戸がF東京を抜いて15位に浮上し、最終節で見事な逆転残留を果たした。

 DF山田暢久が出場停止の浦和は、代わってDF濱田水輝がCBに入り、リーグ戦初先発。MF細貝萌は5試合ぶり、MFエスクデロ・セルヒオが6試合ぶりに先発に復帰した。
 神戸はMF田中英雄が出場停止。MFボッティがボランチに下がり、負傷明けのMF朴康造が2試合ぶりに復帰し、右MFに入った。
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 ホーム最終戦を勝利で飾りたい浦和と、勝ってF東京の結果を待ちたい神戸。互いに積極的に攻撃を仕掛ける激しい展開となった。

 試合を優勢に運んだのは浦和。前半18分、MFポンテが右サイドに展開し、MF高橋峻希がゴール前に折り返すと、エスクデロがフリーで飛び込む。しかし、シュートはGK徳重健太のビッグセーブに阻まれた。1分後にはポンテがFWエジミウソンとのワンツーで抜け出し、右足で強烈なシュートを打ったが、これもGK徳重が弾き出した。

 守護神の奮闘に応えたい攻撃陣も、シンプルにMF小川慶治朗やFWポポを裏に走らせ、チャンスをうかがう。前半24分にはMF吉田孝行のパスに小川が反応。PA内でシュート体勢にまで入ったが、DF岡本拓也がブロックした。

 すると、前半31分、神戸が待望の先制点を奪う。自陣からのDF茂木弘人のロングボールを濱田がクリアミス。ゴール前にこぼれたボールに吉田が追い付き、右足アウトサイドで冷静にゴール右隅に流し込んだ。

 吉田の値千金の一発で前半を1-0で折り返した神戸。残留を争うF東京は前半終了時点で京都に0-1で負けていた。F東京がたとえ1-1に追い付いても、神戸が勝てば、逆転で残留が決まる。ハーフタイム、電光掲示板にF東京がリードされていることが表示されると、神戸サポーターからは大きな歓声が巻き起こった。

 2点目を取って楽になりたい神戸だが、失点して追い付かれれば、たとえF東京が0-1で負けても得失点差の関係で神戸の降格となる。非常に難しい戦い方が求められる後半の戦いが始まった。

 後半立ち上がりから神戸は積極的に2点目を狙いにいった。出足早く、前に前に仕掛ける。リスクを冒した姿勢が神戸の攻撃に勢いを生み、浦和ゴールに迫った。後半2分にはボッティの右クロスをファーサイドの小川が狙うもミートし切れず、ゴール左へ。そして同4分、相手ボールをインターセプトしたDF北本久仁衛がそのまま駆け上がり、前線にスルーパス。これに反応した小川がPA内で濱田に倒され、PKを獲得した。

 1失点目にも絡んでしまった濱田のミス。フィンケ監督はこの直後、濱田をベンチに下げ、DF堀之内聖を投入した。

 PKのキッカーは吉田。浦和サポーターからの大ブーイングの中、冷静にゴール右に叩き込み、神戸が大きな2点目を手にした。さらに後半14分にはポポのスルーパスに朴が右サイドをフリーで抜け出し、右足でゴール左隅に流し込む3点目。怒涛の攻撃で3-0とリードを広げ、勝利を決定付けた。

 F東京はこの時点でまだ0-1とリードを許している。F東京が残り30分で2点取って逆転しない限り、神戸の逆転残留が決まる。浦和の反撃にも体を張って対抗し、落ち着いて跳ね返していった。

 後半29分にポポに代えてMF森岡亮太、同36分に吉田に代えてFWイ・ジェミン、同38分にはDF茂木弘人に代えてDF小林久晃を投入。立て続けに3枚の交代枠を使い切り、試合を締めにかかった。

 後半のロスタイムは4分。F東京は2失点目を喫し、0-2とリードを許していた。残留へのカウントダウンに入る中、後半48分には森岡の右クロスを小川が右足で押し込み、4-0。勝利と残留を決定付けた。

 そして試合終了のホイッスル。ベンチから控え選手が飛び出し、ピッチ上に歓喜の輪が広がる。F東京は0-2で終了。この結果、神戸が勝ち点を38に伸ばし、同36のまま終わったF東京をかわし、15位に浮上した。最終節での逆転残留。試合後はゴール裏に選手、スタッフが集まり、サポーターの歓喜の歌声とともにJ1残留を喜んでいた。

(取材・文 西山紘平)

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