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権田が残留を宣言「僕はFC東京でやることに喜びを感じている」

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[12.4 J1第34節 京都2-0F東京 西京極]

 悔しさを押し殺して、必死に気持ちを切り替えようとした。FC東京のJ2降格という現実を真っ先に受け止めたのは、日本代表GK権田修一だったかもしれない。最初は「実感がわかない」と明かしたが、すぐに前を向こうとしていた。

 「いつまでも落ち込んでいられない。来年もFC東京でプレーする? はい。J1でやるというよりも、僕はFC東京でやることに喜びを感じている。僕は小学校のころからFC東京でプレーしている。カテゴリーが一つ落ちたくらいでは(移籍は)ない」

 権田はきっぱりと残留を宣言した。21歳という若さで守護神を務めているが、その責任感はまるで“十年戦士”のようだった。A代表にも選ばれその定着や、来年から始まるロンドン五輪予選などU-22日本代表でも活躍が期待される男。J2でのプレーはハンディとなる可能性があるが、“東京愛”を宣言し、自らの力で1年でJ1復帰させることを誓った。

 「(今季を振り返って)大事なところ、ココというところで失点を防げなかったり、ココというところで勝ち点を逃すプレーが個人的にはあった。1年間通して、そういう自分の甘さが出たと思います。闘莉王さんが優勝するために勝ち点10を持って来るというんですけど、僕はほんと、勝ち点を減らした部分がある。そこは反省して臨まないといけない」

 この日は0-1の後半45分、1対1となったドゥトラを止めようとした際、倒したと判定されてPKを献上してしまった。「僕は触っていない。あれがブラジル人選手のうまさだと思った。僕が触る前から倒れようとしてて、大声を出していた」と判定に不服を示したが、もっと良い判断があったのではないかと自問した。心技体でさらなる成長を遂げ“微塵のミス”も犯さない守護神像を掲げた。

 「きょう負けたことを受け入れないといけない。来年もしっかり頑張りたい。1年でJ1に戻ってこれるようにしたい」と自分に言い聞かせるように話した権田。下部組織出身で、先輩たちがJ1で躍動する姿を見て憧れ、愛着を持っているFC東京。若いなんて言うつもりは全くない。生え抜きとして、もう一度チームを強くする。闘莉王のように心身ともにチームの支柱となり、這い上がってみせる。

[写真]F東京GK権田

(取材・文 近藤安弘)

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