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壁ができる前に蹴った俊輔の頭脳的FK

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[11.19 J1第32節 横浜FM1-2名古屋 日産ス]

 一瞬も気を抜くわけにはいかない。名古屋グランパスが1-0とリードして迎えた後半26分、横浜F・マリノスはFW谷口博之がMF中村直志に倒され、ゴールほぼ正面の位置でFKを獲得する。GK楢崎正剛の指示で名古屋の選手が壁をつくっていると、MF中村俊輔が素早くリスタート。左足でガラ空きのゴール左サイドに流し込んだ。

「普段はボールの前に人(相手選手)が立つけど、あのときは立ってなくて、主審に『蹴っていいですか?』って聞いたら『蹴っていいよ』って言われたので」。相手の隙を見逃さなかった中村の頭脳プレーで同点に追い付いた横浜FM。名古屋の選手は抗議したが、競技規則上は主審が笛を吹いてプレーを止めていない限り、攻撃側はいつでもプレーを再開することができる。

 GK楢崎正剛は「ルールにはのっとったゴールだから、僕らのミスだというのは承知しているけど……」と悔やんでも悔やみきれない様子。DF田中マルクス闘莉王は「シュン(中村)が汚いことをしやがって。ナラさん(楢崎)との勝負を見たかったのに」と笑いながら“恨み節”をこぼした。

 優勝を狙う名古屋にとっては良い“教訓”になったのかもしれない。MF小川佳純は「自分を含めて、プレーが止まっていると思っていた。判断ミスだし、同じミスは繰り返さないように。他の試合のハイライトとかで見るシーン。それが自分たちの試合で起きるなんて……。次はしないようにしたい」と気を引き締めていた。

(取材・文 西山紘平)

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