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“最強助っ人”レアンドロが柏初のMVPを獲得、「喜びが2倍になった」

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 栄冠はやはり、この男の手に渡った。柏レイソルを初のJリーグ制覇、それも昇格初年度の優勝という史上初の快挙に導いたMFレアンドロ・ドミンゲスが、最優秀選手賞(MVP)を受賞した。ベストイレブンとのW受賞も果たし、照れ屋なブラジリアンはスポットライト、無数のカメラフラッシュを浴びた。
「まずは神に感謝したいと思います。そして、私の妻と息子(に言いたい)、苦しい時もどんな時も、いつも私のそばにいてくれてありがとうと言いたい。正直、すごく嬉しいです。日本のレベルは高いが、自分たちを信じて戦い、リーグ優勝ができた。チームのタイトルのために仕事をきちんとしてきた結果、個人的にも賞をもらえた。喜びが2倍になりました」
 柏としてはクラブ史上初のMVP選手に。外国人選手としては2008年のFWマルキーニョス(鹿島)以来、10人目となった。古くは94年のDFペレイラ(V川崎)、95年のMFストイコビッチ(名古屋)、96年のMFジョルジーニョ(鹿島)、97年のMFドゥンガ(磐田)、07年のMFポンテ(浦和)ら世界的スターが受賞しているが、レアンドロも堂々たる成績を残して名を連ねた。まさに“最強助っ人”と呼ぶにふさわしい。
 MVP受賞については、チームメイトから“指名”されていたこともあり“もしかしたら”と考えていたようだ。「ドキドキワクワクしていた。チームメイトみんなに『お前が選ばれるよ』と言われていた。落ち着かなかった」と照れ笑いを浮かべた。
 クルゼイロやフルミネンセ、ヴィトーリアといったブラジルの強豪でプレーした中、2010年、当時はJ2だった柏に加入した。高い期待を受けた中、まさに別格のプレーでJ1昇格へと牽引。リーグ戦32試合13得点と結果を残し、柏を圧倒的な強さでJ2優勝に導いた。
 そして今季も、実力は抜きん出ていた。リーグ戦30試合に出場し、ゴール数も日本代表FW李忠成(広島)、韓国代表FWイ・グノ(G大阪)ら並み居るFWと並ぶランキング3位タイの15得点。レベルが上がったJ1でも、J2以上の成績を残した。アシストやゲームメイクも含め貢献度は計り知れない。ネルシーニョ監督も「彼の今年のパフォーマンスは、賞に値するものだ。アシストの数、得点の数、チームプレー、攻撃の起点となるプレー、どれを見ても賞に値する」と最大級の賛辞を送った。
 中東クラブからの引き抜きが噂されたときもあるが、柏とは来季以降の契約をすでに更新している。報道では3年契約とも言われている。今後も司令塔として、柏を常勝軍団へと引き上げるつもりだ。その最初の仕事として8日からはクラブW杯が待つ。ブラジル人のレアンドロは、名門サントスと対戦できる可能性もあって、気合が入っている。
「サポーターのみなさんには、リーグ戦と同じように、クラブワールドカップも応援して欲しい。後押しして欲しい。サントスとは対戦したいが、勝たないとそこまでいけない。まずは第1戦(オークランドシティ)の勝利に向けて良い準備をしたい」。レアンドロが世界舞台でもスーパーなプレーを披露し、世界の強豪たちをなぎ倒すつもりだ。
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(取材・文 近藤安弘)

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