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「まさか2点取るとは…」増嶋が1645日ぶりゴール&「高校生以来」の2発

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[3.24 J1第3節 柏2-1清水 柏]

 久々に味わうゴールの感触だった。柏レイソルの窮地をDF増嶋竜也が救った。0-1の後半36分、MFレアンドロ・ドミンゲスの右FKに競り合うと、こぼれ球を自ら右足で蹴り込み、同点弾。「一回競って、ちょうど自分のところにこぼれ球が来た。あんまり覚えていない」。無我夢中のゴールは、甲府時代の07年9月22日の広島戦以来、5シーズンぶりの得点だった。

 実に1645日ぶりとなるゴール。しかし、これだけでは終わらなかった。5分後の後半41分、今度は左サイドからのFK。レアンドロのキックを今度は完璧なタイミングで捉え、ヘディングシュートを叩き込んだ。

「まさか2点取るとは……。柏に移籍してきて初ゴールなので、うれしい」。そう喜んだ増嶋はプロ入り後初の1試合2得点。「高校生のときは(1試合に2点)決めたこともあったけど……」という“伏兵”の2発でチームに今季リーグ戦初勝利をもたらした。

 熾烈なポジション争いを戦っている。開幕からCBのレギュラーを務めたのは増嶋とDF近藤直也。しかし、近藤が負傷したことで17日の浦和戦(0-1)、21日のACL全北現代戦(5-1)は今季から加入したDF那須大亮とコンビを組んでいる。その那須は全北現代戦で先制点もマーク。近藤も復帰間近で、2つの枠をめぐるCB争いは熾烈さを増している。

 この日は前半38分に自分がマークしていたDF岩下敬輔にセットプレーから先制点を許していた。「責任も感じていた」という増嶋の名誉挽回の2ゴール。「去年、SBからスタートして、ポジションを取られて、CBでポジションを取り返した自信もある。去年、優勝もしているし、そう簡単にポジションを取られるわけにはいかない」と、昨季のJ1優勝に貢献したプライドをのぞかせた。

「ドゥーさん(近藤)が帰っていて、那須さんもいいパフォーマンスを見せている。自分もできることを練習からやって次の試合も出られるようにアピールしていきたい」。ACLに続く公式戦連勝で待望のリーグ戦初勝利。ようやくエンジンのかかってきた王者の勢いを、チーム内の競争がさらに加速させていく。

(取材・文 西山紘平)

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