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山口監督、初勝利!! 横浜FCが京都の連勝を止め、最下位を脱出

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[4. 22 J2第9節 横浜FC2-1京都 ニッパ球]

 今季、勝利がなく最下位の横浜FCは、ホームに4連勝中で2位に立つ京都サンガF.C.をホームに迎えた。前半31分にFW大久保哲哉のゴールで先制した横浜FCは、後半の立ち上がりにも大久保が2点目を挙げる。

 横浜FCは3節の千葉戦(0-3)以来、6試合ぶりにFW田原豊が先発入り、ルーキーのMF中里崇宏も5節の甲府戦(0-2)以来のGKシュナイダー潤之介も今季初先発するなど、前節の湘南戦(2-3)から3選手を代えて、京都との試合に臨んだ。

 立ち上がりから京都ゴールに迫る横浜FCは、前半6分にMF武岡優斗が右サイドから上げたクロスを、ゴール前でMF高地系治が胸トラップして、体を回転させて左足ボレーで捉える難易度の高い強烈なシュートを京都ゴールの右に飛ばす。同20分にも武岡のアーリークロスにFW田原豊が飛び込み、DFを引き連れると、ファーサイドに抜けたボールを大久保が拾ってシュート。GKの股を抜けたボールは枠に飛んだが、ゴールエリア内で京都DFにクリアーされ、得点を挙げられない。

 対する京都も前半30分に、PA内でFW宮吉拓実がドリブル突破し、シュートを放ったが、右ポストに嫌われてしまう。その1分後、横浜FCに待望の先制点が入る。MF中里崇宏のロングボールに対して、京都の守備が対応に後手を踏む。そこに詰めた大久保が、右足で蹴り込んだ。前半終了間際には京都にもビッグチャンスが訪れる。FW長沢駿のポストプレーからゴール前でMF工藤浩平がフリーになり、GKをかわしたが、シュートを打つ直前にDFペ・スンジンがカバーに入り、フィニッシュに持ち込めなかった。このまま試合は1-1で前半を折り返す。

 後半開始直後の4分、横浜FCは追加点を挙げる。高地のFKに、田原がGK水谷雄一と競り合いながら、打点の高いヘッドで合わせると、ゴール前に上がったボールを大久保が泥臭く押し込み、立ち上がりの良い時間帯に追加点を挙げた。

 リードを広げられた京都は後半7分、2試合連続で途中出場し、直後にゴールを挙げているFW原一樹を投入した。同時に横浜FCも八角をベンチに下げて、MF佐藤謙介をピッチに送り込んだ。同23分にも京都は左サイドでFKを得るが、田原にクリアーされる。続くCKではマイナスに低いボールを蹴り、PA外からシュートを打ったが、横浜FCの守備陣が体を張ってブロックした。ゴールに迫る京都は後半17分にも宮吉が強烈なミドルシュートを放ったが、シュナイダーがしっかりとパンチングで弾き出した。

 同18分に京都は、2人目の選手交代を行う。中村に代えてMF伊藤優汰が前節・東京V(1-0)戦に続く出場を果たす。20分には右サイドのFKからゴール前でフリーになった原が、ヘディングでゴールを狙う。GKも反応できなかったが、シュートは枠の上へ外れて行った。押し込まれる横浜FCだが、同23分には、またも高地のFKからゴール前でペ・スンジンが頭で合わせたが、シュートは左ポストを叩く。

 後半25分、京都の大木武監督は、宮吉を下げて、FW久保裕也をピッチに送り出し交代枠を使い切った。しかし、停滞した流れを変えることはできない。同28分に京都は伊藤がドリブルで仕掛けるが、しっかりと高地が体を寄せて対応し、クロスを上げさせない。集中した守備を見せる横浜FCは、流れの中から京都にチャンスをつくらせなかった。

 同35分には両ゴール前で攻守に存在感を見せた田原を下げ、DF堀之内聖を出場させて守備を固めた。人数をかけたパス回しで横浜FCのゴールに迫る京都だが、ゴール前でのプレーに精度を欠き、決定機をつくれない。それでも39分には、DF安藤淳のクロスを原が捉えたが、ここもヘディングシュートが上に外れて行った。同40分にも伊藤のドリブル突破から、PA内で久保がボールを受けたが、体を寄せる横浜FCの守備陣の前にシュートが放てない。同43分にもPA外から久保が強烈なシュートを放ったが、シュナイダーがパンチングで弾き出した。

 後半44分には横浜FCのMF武岡優斗が京都陣内をドリブルで突破し、シュートを放ったが、惜しくも枠を右上に外れた。同45分に横浜FCは高地に代えて、FW三浦知良をピッチに送り出した。最年長出場記録を更新し続けるカズは、前線でボールを引き出してパスワークを円滑にしたり、得意のまたぎフェイントを見せる。ロスタイム3分には、DF杉山新のクロスにゴール前で合わせようとしたが、わずかに届かなかった。それでも短い出場時間で、多くの見せ場をつくった。

 このまま試合終了かと思われたが、今季、無得点で試合を終えたことがない京都も、最後に意地を見せる。細かくボールをつなぎ、最後は右サイドからのクロスを原が頭で合わせる。GKが弾いたこぼれ球にも貪欲に詰めて、ボールをゴールに押し込んだ。試合再開とほぼ同時に、試合終了のホイッスルが鳴り、京都の連勝は4でストップ。横浜FCは山口監督就任後、初勝利を挙げて、最下位を脱出した。

 この日、2ゴールを挙げて勝利をもたらした大久保は1点目を振り返り、「監督からああいう動きをすればマークが外れると言われていた」と指揮官の分析力を先制点の要因に挙げた。そして初勝利を挙げた山口監督は「選手が頑張ってくれていたので勝たせて挙げたかった。僕が就任して約1カ月になりますが、選手は着実に力を付けています」と、指揮官として初めて挙げた勝利を喜びつつ、今後に向けた手応えを口にした。

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