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[ぎふ清流国体]交代出場のFW山口が延長V弾!佐賀県が昨年3位の広島県破り8強進出!:少年男子2回戦

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[10.1 岐阜国体少年男子2回戦 広島県1-2佐賀県 古川WA]

 第67回国民体育大会「ぎふ清流国体」サッカー競技少年男子の部は1日、2回戦を行った。昨年3位の広島県と佐賀県の一戦は、後半終了1分前にCB岩崎秀俊(佐賀商高、2年)のゴールで追いついた佐賀が、延長前半4分にも交代出場のFW山口拓巳(鳥栖U-18、1年)のゴールで勝ち越し、2-1で逆転勝ちした。佐賀は2日の準々決勝で福岡県と対戦する。

「歴史を変えるぞ」「革命を起こすぞ」と誓う佐賀が、劇的勝利で初の4強入りへ王手を懸けた。0-1で迎えた後半34分、佐賀は左CKのこぼれ球を左サイドへ展開すると、MF古瀬雄大(鳥栖U-18、1年)が左足で上げた絶妙なクロスボールを「意地でも決めてやろうと思っていた」という岩崎秀が渾身のヘディングシュートをゴール左隅へねじ込む。

 正確なボールタッチで攻撃をコントロールする攻撃の柱、MF樋口雄太(鳥栖U-18、1年)とMF松本健太郎(佐賀北高、2年)を中心とした攻撃からスピードのあるMF岩崎紘平(鳥栖U-18、1年)が相手の背後を突くなど、チャンスを作りながらラストパスが合わずに得点できていなかった佐賀が土壇場で決めた起死回生の一発。これで蘇ったチームは1-1で突入した延長戦で一気に試合をひっくり返した。

 延長前半4分、佐賀は松本のスルーパスで抜けだした山口が飛び出してきたGKをワンタッチでかわし、左足で決勝ゴールを流し込む。九州ブロック予選の福岡戦、大分戦でいずれも後半終了間際に同点ゴールを決めている“ラッキボーイ”は劇的ゴールが続く理由について「ボールが来ちゃうんです(微笑)。自分のところからスピードを上げてチームのプラスになれるようにと思っていた」。山口のゴールで雨中の逆転劇を演じたイレブンは、喜びを爆発させながらベンチに駆け寄り、歓喜の輪をつくっていた。

 決して楽な試合ではなかった。先発メンバーに広島ユースや広島皆実高などの選手の名が並ぶ広島は、高いキープ力で攻撃の中心となっていたMF柄脇雅伸(広島ユース、1年)とMF横路翔太(広島皆実高、1年)を起点にスピードのあるMF岡村吾朗(広島ユース、1年)のドリブル突破などを交えて佐賀守備陣を切り崩そうとしてくる。佐賀は序盤にあった決定機を逸すると、14分に柄脇の個人技でサイドを破られ、18分にはMF阿部良季(広島ユース、1年)の右CKからMF山本真聖(広島ユース、1年)に先制ヘッドを決められてしまった。

 ただ岩崎秀とDF峰泰斗(佐賀東高、1年)やGK田中慈瑛(鳥栖U-18、1年)の好守をはじめ、セカンドボールへの意識も高かった佐賀は相手に主導権を渡さない。決定的な場面をつくらせなかったチームはあきらめずにプレッシャーをかけ続ける。広島の坂井淳(広島観音高、1年)と荒木隼人(広島ユース、1年)の両CBは非常に強固で隙がなかったが、試合終了間際の同点ゴールから大逆転。広島は延長後半、荒木、坂井を前線に上げ、ロスタイムの右CKにはGK宮野光雄(瀬戸内高、1年)もPAまで駆け上がってゴールを目指したが、FW椿本啓祐(広島ユース、1年)の決定的な左足シュートが枠をわずかに外れるなど同点に追いつくことができなかった。
 
 全国レベルの大会でなかなか結果を残すことのできていない佐賀だが、初挑戦のJ1で現在5位に食い込んでいるサガン鳥栖の活躍に大きな刺激を受けている模様。同点ゴールを決めた岩崎秀は「最後のところの粘り強さ。あそこを目指したい」と力を込める。今大会の目標はJ1で奮闘する鳥栖に負けないようなインパクトある成績。松尾智博監督(佐賀北高)は「佐賀をもう一度全国の上のところまでと思っている。『革命を起こそう』『歴史をつくろう』と言ってきました」。殊勲の山口も「優勝したい」と誓ったように、初戦での劇的勝利だけで終わるつもりはない。

[写真]延長前半4分、決勝ゴールを決めた佐賀・山口(中央)が歓喜のダッシュ
(取材・文 吉田太郎)
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