beacon

[国体少年男子]「このメンバーでタイトルに挑戦できるのは最後」名門・青森山田16選手で構成の青森県が北海道下す!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.29 国体少年男子1回戦 青森県1-0北海道 朝日サッカー場]

 青森県対北海道、津軽海峡を挟んだ両雄の戦いは青森がMF伊賀大也(青森山田高)の決勝ゴールによって1-0で勝った。青森は30日の2回戦で愛知県と対戦する。

 青森は登録16人全員が北の名門、青森山田高所属の選手。U-16日本代表のMF三上孝太やFW豊島祐希(ともに青森山田高)ら青森山田中出身者は昨年の全国中学校大会優勝メンバーで期待の世代でもある。ただ、毎年好選手が入学してくる青森山田では、メンバー争いが非常に激しく、3年に進級した際も同じ年代のメンバーのみで全国タイトルに挑戦できるとは限らない。だからこそ、島谷仁寿監督(青森工高)は「チーム内でも競争が激しいチーム。この(16人の)メンバーでタイトルに挑戦できるのは今回が最後かもしれない」と選手たちに声をかけているという。その中で臨んだ初戦。硬さも見られた前半は相手に主導権を握られる時間帯もあったが、指揮官から「もっともっとハードワークを」と指摘された後半は球際で相手を上回るなど身体を張ったプレーが随所で見られ、1点を追う相手に最後までゴールを許さなかった。

 決勝ゴールが生まれたのは前半24分だった。青森はFW成田拳斗(青森山田高)がドリブルで右サイドをえぐると、その折り返しを伊賀が右足ダイレクトで叩く。これがゴール左隅へ決まり決勝点となった。「1回戦目が大事で、特に1点目は大事なのでそれを自分が決められたのでめっちゃ嬉しかったです。チームの為に決められたので良かった」という伊賀は単騎でベンチまで駆け寄りチームスタッフや控え選手たちと喜びを爆発。序盤はU-17日本代表MF杉山雄太(札幌U-18)中心にボールを動かす北海道の前に受け身だってしまっていたが、アグレッシブにゴールヘ迫っていたMFの一撃でチームは落ち着きを取り戻した。

 北海道は杉山を軸にボールを動かすと、12年U-16日本代表候補FW福原昭(札幌創成高)のパワフルな突進やMF菅大輝(札幌U-18)のスピードを活かして決定機をつくり出してくる。だが前半25分にPAから放った杉山の左足シュートはGK照井竜馬(青森山田高)の好守に阻まれ、後半開始直後に右サイドでDFをかわした菅の決定的な右足シュートはクロスバーを叩いた。終盤、攻撃がややたん白になってしまっていた北海道に対し、青森は三上があごを強打しながらも奮闘し、中盤で利いていたMF原山海里岡西亨弥常田克人(すべて青森山田高)の両CBらが相手をゴールヘ近づけない。そして1点を守りきり勝利。伊賀は「みんな意識をひとつにして、心をひとつにして頑張っています。優勝目指しています」。名門の1年生の代表選手たちはプライドを持って、決勝まで戦い、頂点を勝ち取る。
 
(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
第68回国民体育大会「スポーツ祭東京2013」特集ページ

TOP