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[MOM812]北海道教育大岩見沢校MF縄田脩平(4年)_2点演出のプレースキック、“最北の雄”が全国8強へ

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北海道教育大岩見沢校MF縄田脩平(4年)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.21 総理大臣杯2回戦 北海道教育大岩見沢校3-1福岡大]

 序盤から福岡大が主導権を握り、迫力を持ってゴールに迫る場面が続いたが、先制点を奪ったのは北海道教育大岩見沢校。22分にDF菅野紘希(2年=札幌U-18)のロングフィードに抜け出したMF小原冠嗣(4年=札幌大谷高)がゴールを決めた。福岡大が攻勢を強めようとした後半3分には、MF縄田脩平(4年=浦和ユース)のCKからこぼれ球をFW黒崎皓嗣(1年=栃木U-18)が追加点、さらに同20分にも縄田の直接FKのクリアボールを黒崎が仕留めてリードを広げると、福岡大の反撃を1点に抑え、岩教大が勝利をつかんだ。

 岩教大・安部久貴監督は「全国大会でベスト8に進出したことがなかったので、まず2つ勝とう。歴史を作ろう」と今大会に臨んだと言う。九州の雄である福岡大とは2019年のインカレ1回戦でも対戦。そのときは0-3で敗れている。3年前の試合でも出場し、福大のサッカーを経験していた主将の縄田は、今回の対戦では「やりたいことだけやれるのがサッカーじゃないので、相手をリスペクトしてしっかり守る時間帯はあるぞと全員が頭に入っていた」と話し、試合を進めていく中で「やれないことはないなと体感して、そこで一瞬の隙をつけた」という言葉通りに結果を出した。

 2、3点目につながったセットプレーのキックについても「相手は高さがあったので、できるだけ早くて鋭いボールを狙った。ちょっと嫌がってたんじゃないかな。相手のミスを誘うようなボールを蹴ったのは、良かったかなと。ここまでうまくいくとは思わなかった」と縄田は笑顔で振り返る。

「ピッチの中では監督」と安部監督が全幅の信頼を置く主将の縄田は、浦和ユースの出身。浦和ユースの大槻毅監督(当時)の「出場機会を多く持ったほうが成長できる」との勧めと指導者についても視野にあったため、岩教大へと進学した。卒業後は埼玉に戻り、営業職に就きながら、土日に指導者として活動する予定で、「真剣なサッカーは大学で最後。少しでも長くみんなとやりたいという気持ちで、ピッチに立っている」とここまでともにチームを作り上げてきた仲間への思いも強い。

 ここ2年は道内でも思うような結果が出せていなかったが、今季はプレシーズンの練習からどんどん変えていこうと4年生が自発的に取り組んできた成果が、総理大臣杯での飛躍につながった。次は関東王者の国士舘大。「関東・関西とやりたい」とチームの誰もが待ち望んでいた対戦となる。チームに新たな歴史のページをさらに加えられるか、強い気持ちで挑んでいく。

(取材・文 蟹江恭代)
●第46回総理大臣杯特集

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