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23年ぶりV王手の国士舘大、東京V内定MF綱島悠斗「強い国士舘を取り戻すきっかけに」

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MF綱島悠斗(4年=東京Vユース/東京V内定)

[8.28 総理大臣杯 国士舘大4-0びわこ成蹊スポーツ大]

 3点をリードして迎えた後半アディショナルタイム、国士舘大はFW東川続(2年=四国学院大香川西高)がエリア内で倒されてPKを獲得する。

 ここでPKスポットに立ったのが、MF綱島悠斗(4年=東京Vユース/東京V内定)。PKは「ずっと練習してきた」といい、自信を持って蹴ったボールでゴール右隅を揺らした。

 ただ後半5分にCKを合わせた場面は、惜しくもオフサイドでゴールが取り消されていた綱島。結果的には4-0での快勝だったが、「得点力にまだ課題は残ります。チャンスを多く作った中で、決めきる力が課題です」と満足することはなかった。

 今年の七夕、東京ヴェルディから綱島の来季加入が正式に発表になった。東京Vはジュニアのころから高校卒業まで、綱島が10年間を過ごしたクラブ。獲得の話を貰う前から、すでに心を決めていたという。

「自分が耳にしたのは4月でしたが、以前からずっと話は来ていたそうです。でもずっとヴェルディに恩返ししたいという思いが強くありました。ヴェルディから一番最初に声をかけてもらえたので、すぐに戻りますと言いました」

 目標とする選手に、国士舘大、東京Vの両方で大先輩にあたる柱谷哲二氏を挙げる。直接、柱谷氏に「哲さんみたいなボランチになりたいです」と憧れを“告白”する機会もあったと明かす。

「哲さんの現役時代は自分は幼い頃だったので、生で見ていた記憶は少ないけど、いろいろな話をコーチからしてもらって、キャプテンシー溢れる凄い選手だなと感じている。追いついて追い越せるように、頑張りたいと思います」

 国士舘大は過去に総理大臣杯を2度優勝しているが、1999年が最後。決勝進出自体も2002年大会以来と、近年は目立った成績を残すことが出来ていなかった。

 ただし今年の4年生は綱島に代表されるように、GK飯田雅浩(4年=青森山田高)やFW棚橋尭士(4年=横浜FMユース/徳島内定)といった下級生のころから試合に出場する選手が多数いる。“勝負の年”にしっかりと結果を出そうとしている。

 綱島は「関東1位で来ている以上は全国を獲らないといけないというプライドはある」と気合を入れ直すと、「大臣杯やインカレ、リーグ戦を獲って、昔の強い国士舘を取り戻すきっかけにしたい」と力強く話した。

 大阪学院大と対戦する決勝は9月4日、味の素フィールド西が丘で18時にキックオフする。

(取材・文 児玉幸洋)
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