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世界に挑むU-14戦士が決定!!名波氏が国内選考ラスト2名を選出

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 世界へ挑戦する若き6人のサムライが決定した。アディダスは5日、横浜市のマリノスタウンで14歳以下の男子中学生を対象とした5対5のミニゲーム形式の大会「adidas UEFA YOUNG CHAMPIONS 2014」の日本代表選考関東大会を開催。5月にポルトガルで行われる世界大会に出場する日本代表選手として、天野悠貴(FC東京U-15むさし)と水野裕太(駒沢サッカークラブ)が選ばれた。

 関東大会には24チームが参加し、熱戦が繰り広げられた。決勝ではFC東京U-15むさしとラルゴFCが対戦し、ラルゴFCが4-0で快勝した。前半、高い位置でインターセプトした渡辺寛生からパスを受けた武井奎太が右サイド角度のない位置から右足を振り抜き、先制すると、後半に入ってもCKから沖田朱がヘディングで追加点。その後も渡辺が2ゴールを奪った。

 関東大会の選考を担当した元日本代表MFの名波浩氏は「レベルが高いなと思ったのは、ボールを奪うところ。ボールに向かって行き切ることができていた。その回数がラルゴFCのほうが多かった」と指摘。守備の連動やセットプレー時のサインプレーなど、優勝したラルゴFCのチーム力を高く評価した一方、大会優秀選手は「個で選んだ」と、準優勝だったFC東京U-15むさしから天野、そして準決勝でFC東京U-15むさしに0-1で敗れていた駒沢サッカークラブから水野を選出した。

 名波氏は天野について「準々決勝から決勝まで見た選手の中で、一番バランスを考えてプレーしていた」と評価。世界大会に出場する日本代表は各エリアから選抜されたメンバー構成となるため、「普段、お互いを知らない選手同士がヨーロッパに行くということで、バランサーが必要かなと思った」と、選考理由を明かした。

 普段、DFやMFでプレーしている天野はこの日もフィールド選手4人の中で最後尾に位置し、スペースを埋めながら守備で体を張り、ボールを持てば全体の状況を把握してパスを展開していた。「上背はないけど、軸がしっかりしている。ボールをはたいて動き出したり、守備では一番危険なエリアに顔を出すということを黙々とやっていた」と、名波氏の目に留まった。

 天野自身も「みんなディフェンスでとにかく突っ込むことが多かったので、バランスを見てチームをコントロールしていこうと思った」と、自分のプレーを振り返り、世界大会に出場する日本代表に選ばれたことについては「その意識もあったし、FC東京の代表としても行きたかった。緊張もあると思うけど、自信はあります」と力強く話していた。

 また、チームは準決勝で敗退した水野について名波氏は「体格が良くて、スピードもある。アイデアを持ったプレーに魅力を感じて選んだ。人を生かしながら自分も生かす。苦しいときに個人で打開ができるし、ヨーロッパの体格のいい選手にも負けないプレーができると思う」と、大きな期待を寄せた。

 天野、水野に加えて、3月31日に行われた関西大会で選ばれた薮井大和(Jフィールド岡山FC)と梅津克貴(アスペガス生駒FC)、今月2日の九州大会で選出されたGK津村和希(ヴィテス福岡FC)と野寄和哉(CAグランロッサ)の計6名が“日本代表”に決定。5月20~26日にUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)決勝の舞台となるポルトガルのリスボンで開催される「adidas UEFA YOUNG CHAMPIONS 2014」に出場する。

 各エリアから2名ずつ選ばれた優秀選手計6名による「adidas UEFA YOUNG CHAMPIONS 2014 日本代表」はアディダス契約アドバイザーである元日本代表DFの宮本恒靖氏が監督を務め、現地でポルトガル、ブラジル、アメリカのU-14選抜チームと世界一を懸けて対戦する。大会期間中には、欧州CL決勝の観戦やポルトガルの名門・ベンフィカコーチによるトレーニングセッション、アディダスグローバル契約選手との懇親会も予定されている。

 中学生年代で世界大会に出場することについて名波氏は「素晴らしい試みだと思う。世界のレベルを肌で感じることで、今後、高校やユースに進んでいったとき、さらなる飛躍が期待できる」と指摘。「あのとき対戦した選手が何年後かにチャンピオンズリーグでデビューしているということもあるかもしれない。そういう世界を身近に感じられるのは素晴らしいこと」と、日本代表として世界に挑む「若きサムライ」に期待とエールを送っていた。

(取材・文 西山紘平)

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