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[JFAプレミアカップ2014]耐えた新潟U-15をPK戦で振り切る!広島ジュニアユースが11年ぶりVへ王手!

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[5.4 JFAプレミアカップ準決勝 広島ジュニアユース0-0(PK4-3)新潟U-15 J-GREEN S1]

 U-15年代の日本一決定戦「JFAプレミアカップ2014 supported by NIKE」は4日午後、グループリーグを突破した4チームによる決勝トーナメントへ突入。サンフレッチェ広島ジュニアユース(中国、広島)とアルビレックス新潟U-15(北信越、新潟)が対戦した準決勝第1試合は0-0で突入したPK戦の末、4-3で広島が勝ち、柏レイソルU-15(関東3、千葉)と戦う決勝(5日)へ進出した。

 03年大会王者の広島と初の決勝進出を狙う新潟との一戦は前半、攻める広島に対し、新潟が耐える展開となった。広島は開始30秒、個で中盤を切り裂いたFW三原大幸の折り返しをFW明比友宏が右足ダイレクトボレー。8分にはMF村山勘治を起点にFW藤原悠汰、三原とつないで中央を打開し、ラストパスが明比へ通る。さらに11分には右中間でのターンでDF2人を置き去りにしたMF仙波大志が右足シュートへ持ち込み、12分にも中盤でDFのマークを外した仙波のスルーパスによって明比が抜け出した。

 ただGK頭上を突いた明比のシュートをGK新保大夢が止めて難を逃れた新潟も、DFを背負いながら再三ボールを収めるFW広野直人を起点に反撃。FW本間至恩がプレッシャーをギリギリでかわすパスを出せば、右サイドではSB若月輝が“裏街道”にチャレンジ。また28分に仙波の縦パスから抜け出した三原をCB吉田光希がストップするなど守備でもスタンドを沸かせる。一方、ボールを握って攻める広島は26分にも藤原の右クロスから明比が決定機を迎え、30分にはカウンターから5選手が一気にPAへ向けてなだれ込もうとするなどチャンスをつくったが、得点できないまま前半を終えた。

 後半は新潟が押し返す。2分、左サイドでのターンでDFを外した本間からのスルーパスに若月が反応し、3分にはMF丸山壮大の右足ミドルがゴールを襲う。「(広野)直人、男になれ!」「(川崎)俊輔、気合だ!」などスタンドからの声を後押しに戦う新潟は、19分にも広島DF里岡龍斗に止められてしまったものの、広野がスピードに乗ったドリブルでゴールへ迫るシーンがあった。

 一方、沢田謙太郎監督が「今年は3年生が多い。選手を変えても新しく入った選手が活躍してくれたりしている。フレッシュな選手たちがまた意欲とか前へ行く力とか最後まで出せればいい」という広島は、後半開始から投入されたFW桂陸人が相手にとって“危険な”存在になるなど交代選手の質が落ちず、仙波やDF川村拓夢、桂がよりギアを上げて前への意欲を示した終盤は決定機を連発した。

 ただ24分にFW朴世智の折り返しを桂が合わせた一撃や28分に右サイドを打開したDF川井歩のラストパスから迎えた混戦が押し込もうとするなどチャンスはあったものの、決めることができない。そして32分には三原が強引にPAまで持ち込んだが朴のシュートはGK正面。0-0のまま延長戦へ突入した試合は前半10分にPAで切り返した桂のクロスに三原が飛び込み、新潟も同後半開始直後にMF五十嵐新のスルーパスに丸山が走りこむ。シュート数は広島の25に対し、新潟は2。大差がついたが、新潟も試合を決めるチャンスをつくるなど互いが力を出し尽くすゲームとなった。

 広島の沢田監督が「こういうゲームを人生の中で、中学生の間に何回できるかというところでは非常にいいゲームができたと思う。シュートは打っていたような気もするけれど、最後の最後、身体張って守っていたというのは新潟の思いとか気持ちがそうさせていて、そこと真っ向勝負しながら、守備も危ない場面がたくさんあって、本当にこっちも両方ともいい場面がいっぱいあった試合だった」という試合は新潟のDF渡邊泰基主将や吉田らの“魂の守り”もあって80分間で決着がつかず、PK戦へ突入。その2人目、ゲーム中から再三好守を見せていた新潟GK新保が後攻・広島のシュートをストップする。だが広島GK大田祥輝が相手の3本目を止め返すと、新潟は続く4人目のシュートがポストを叩いて追い込まれてしまう。広島は勝てば勝利の決まる5人目・里岡が右足で冷静にゴールネットを揺らして歓喜を爆発させた。

 03年以来11年ぶりの優勝へ王手を懸けた広島のDF中丸大輝主将は「優勝したいし、世界大会へ出たい。その後にまた全国大会が控えているので世界でいい経験を積んで、またそこで勝ちたい」と優勝、世界進出、そしてその先まで見据えて活躍を誓っていた。

(取材・文 吉田太郎)

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