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高校生2選手が世界的スカウトプロジェクト、ナイキ「THE CHANCE」セミファイナル進出!!

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 世界55か国から総勢100名がバルセロナ(スペイン)に集い、プロになるチャンスを目指すスカウトプロジェクト「THE CHANCE」は23日午前にグローバルファイナル1次選考3日目のトレーニングを行い、同日午後にセミファイナルへ進出する52名を発表。“日本代表”として参加している3名からはDF冨澤右京(桐蔭学園高)が落選したものの、MF山之内優貴(鹿児島実高)とFW木下稜介(滝川二高)の2名が1次選考突破の52名に入った。

 この日が一次選考最終日だっただけに朝食時からピリピリとした雰囲気。選手たちはトレーニング開始前にジミー・ギリガンナイキ・アカデミー ヘッドコーチから「これが最後のチャンス」と伝えられ、「“My Time is Now (そのジブン切りひらけ)”」と繰り返し大声で発することを求められた。これでさらに火のついた選手たちは、過去2日を上回る激しさを持って8対8のミニゲームや変則的なポゼッション練習でアピールしていく。前日が休養日だっただけにリフレッシュしていたこともあるが、コーチ陣の期待する以上に持ち味を発揮。ギリガンヘッドコーチに「プレーの質がさらに上がり、私は嬉しかったです。コーチ陣は選手たちをプロとして扱い、選手たちもそれに応えました。今夜選ばれても落ちても、マイナスな経験だったという選手は100人の中に誰もいないでしょう」と言わしめた100名は、夕食後に1次選考の合否を通達された。

 日本人セミファイナリストとしてまずはじめに名前を呼ばれたのは名門・鹿児島実のエース、山之内だった。「海外のセレクションでは、みんな自分の持ち味を出そうとする気持ちが強いので、そこは日本人も見習うべきだと思います。このくらいいつも気持ちが入った感じでできればと思います。そういうところを意識しながらプレーするようになりました」。国内選考会ではあまり闘争心を表に出すことのなかった山之内。それでも国内選考会のファイナルマッチで後半だけで2得点2アシストを記録するなど、トップギアに入った時に別格のプレーをしていた山之内は、海外のライバルたちから刺激を受けながら、その才能を欧州でのセレクションで発揮することに成功した。

 そして日本人ではもうひとり、木下が1次選考を突破した。名前を呼ばれたのは52人中52番目。本人も「ボールをもらえなかったり、自分でミスをしてしまった部分が結構あったので、アピール不足かと思いちょっと不安でした。呼ばれたのが最後だったので、呼ばれないかと思ったんですけど、残って嬉しかったです」と安堵の表情を浮かべていたが、国内選考会でもセミファイナル関西ラウンドから突破力と決定力を見せつけてきた滝川二のエースFWが第一関門突破を果たした。

 一方、爆発的なスピードと突破力で国内選考会を勝ち抜いたSB冨澤は、ここで敗退が決定した。本人は「やりきりましたし、自信はありました。与えられた練習の中で自分のプレーを出せたのでそれは良かったです。選ばれた選手と差はなかったと思います」と手応えも口にしたが、「今回残れなかったことによって、まだまだだな、もっと頑張ろうと思いました。もっと練習してレベルアップして、将来はプロになれるように頑張りたいと思います」とこの悔しさをバネに成長することを誓った。ただ、無念であることは間違いない。それだけに山之内と木下は冨澤の思いを受け継いで最終16名入りに挑戦する。

 会場を訪れたブラジル代表DFダヴィド・ルイスから「私は14歳の時、あるクラブに受け入れられなかったことがあるので、2度目のチャンスをつかむことがどういうことかを知っています。私は夢をかなえたい気持ちでいっぱいで、彼らも同じように感じていると思います。これからも彼らは戦い続けなくてははならないのです。これから2日間、彼らは全身全霊を捧げて戦わなくてはいけません」とエールを受けた52名。この後はセレクション4日目となる24日に26名にまで絞られ、最終日の25日に合格者となる最終16名が決定する。山之内と木下は日本人選手で初となる合格者となることができるか。山之内は「明日は、まずは自分がボールを奪うところから始めて、そこから持ち味の攻撃でパスを配ったり、ゴールに向かって行きたいです」。そして木下は「次は11vs11なんで、そこでも自分の持ち味を出せるように次も頑張りたいです。(選ばれた理由は)ドリブルとか強引さとかを評価してくれたのかと思うので、出していきたいと思います」と宣言。残り2日間、“日本代表”が海外のライバル以上の輝きを放つ。

[写真]1次選考突破が決まり、笑顔の山之内

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