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プレーに気持ちを込めたなでしこ鮫島「東北にゴールを届けられた」

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 被災地へ想いを届けるゴール――。いつも以上に果敢なオーバーラップをしかけ、なでしこジャパンで編成された「2012 Memories」チーム随一のプレーを見せたのが、仙台を本拠地とするベガルタ仙台レディースに籍を置くDF鮫島彩だった。前半ロスタイムには最前線まで飛び出し、チーム3点目をあげた。

「自分はいいところにボールが転がってきておいしいゴールだったんですけど。東北で多くの方が応援してくださっているので、ゴールシーンを届けることができてよかったです」

 2011年3月11日、東日本大震災が起きたとき、福島を本拠地とするTEPCOマリーゼでプレーしていた鮫島は、マリーゼが東日本大震災の影響から活動自粛を余儀なくされると、海外へと移籍し、アメリカ、フランスでプレーした。2012年7月には、マリーゼの移管先として設立されたベガルタ仙台レディースへと加入した。栃木県出身ながら高校時代は仙台の常盤木学園高校で過ごしたこともあり、東北への想いは強い。

「一見元通りに戻っているように見えても、実際は復興まで時間がかかるんだろうなという場所がたくさんあります。(今日は)多くの方に足を運んでいただけましたし、これが復興支援につながればいいと思います」

「仙台のスタジアムに多くの方が来てくれて、スタジアムにパワーが溢れている」と、サッカーが持つ力を感じていると語った鮫島。来シーズンも、なでしこジャパンやなでしこリーグで気持ちのこもったプレーを見せてくれるはずだ。

(取材・文 奥山典幸)

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