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J1仙台といわきFCが雨中のチャリティーマッチ、前年上回る2326人に感謝

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いわきFCとベガルタ仙台によるチャリティーマッチが行われた

[9.17 2017WALK TO THE DREAMチャリティーマッチ いわきFC 1-2 仙台 いわきグリーンフィールド]

 17日、福島県いわき市にあるいわきグリーンフィールドで、いわきFCベガルタ仙台によるチャリティーマッチが行われた。同チャリティーマッチは前年にFC東京を招いて実施されたのに続く2回目。収益の一部はいわき市に寄付されることになっている。今年の試合は2-1で仙台が勝利した。

 前日にJ1リーグのFC東京戦を戦った仙台だが、途中出場した選手を含む控えメンバーがスタメンに並ぶ豪華な布陣となった。GKは関憲太郎。3バックはDF小島雅也、DFヴィニシウス、DF増嶋竜也が形成。両WBをDF菅井直樹とDF蜂須賀孝治が務め、ダブルボランチはMF藤村慶太とMF梁勇基。1.5列目にMF野沢拓也とMF茂木駿佑が入り、1トップはFWクリスランだった。

 今夏新戦力3選手を加えたいわきFCは、そのうち2選手を先発で起用。GKは坂田大樹、3バックはDF新田己裕、DF山崎海秀、J2金沢から期限付き移籍で加入したDF榎本滉大。中盤の底にMF久永翼とMF五十嵐陸の2枚が入り、右MFを新加入MF熊川翔。左MFをMF植田裕史が務める。3トップは右からFW小野瀬恵亮、FW菊池将太、FW吉田知樹だった。

 水が浮くピッチで思うようにボールが運べず、多くの選手が苦戦を強いられる中で、経験豊富な選手を抱える仙台が徐々に圧力を強めていく。前半10分と同20分に梁勇基が狙ったミドルシュートはいずれもGKに阻まれたが、同26分、右サイドからの崩しを見せると、菅井のクロスを藤村が頭で合わせて、均衡を破るゴールを奪った。

 ただほとんどチャンスを作れていなかったいわきFCだったが、失点直後の前半28分、右サイドから久永が上げたクロスがゴール前の菊池の頭にピタリと合う。豪快なヘディングシュートがゴール右隅に吸い込まれ、あっという間に試合が振り出しに戻った。

 しかし仙台は前半のうちに再びリードを奪う。35分過ぎにヴィニシウスが足を痛めたためにDF瀧田萌人と交代するアクシデントはあったが、前半終了間際のアディショナルタイム1分、右サイドのCKから上がったクロスに対し、ニアに走り込んだ増嶋が頭で流し込み、2-1で前半を折り返すことに成功した。

 再びリードを奪われたいわきFCは、後半に入ると怒涛の攻撃を仕掛けていく。しかし6分のゴール前の浮き球を右足ダイレクトで蹴り込んだ吉田のシュートはポストを直撃。同10分のカウンターから左から中央に切り込んで放った吉田のシュートもGK関のセーブに阻まれた。

 試合が進むと仙台が2種登録のユース所属選手を続々と送り込んだこともあり、終盤はいわきがさらに多くのチャンスを作ることになる。ただ後半45分の途中出場MF金大生の強引な突破から新加入FWルーカス・マセドが放ったシュートがポストに跳ね返されるなど、決定力を欠いてしまう。後半は相手を大きく上回る7本のシュートを放ったいわきFCだが、同点弾を奪うことは出来なかった。

 この日は台風18号の影響で全国的に雨。会場となったいわきグリーンフィールドも残念ながら試合前から冷たい雨が降り続いた。しかし前売り1000円、当日券1500円の有料の試合(中学生以下は無料)だったが、会場には2326人の観衆が詰めかけた。

 前年の2082人を上回る数字に大倉智代表も「雨の中でこんなに来ていただけてうれしい」と感謝。仙台の梁勇基は「まだまだ震災から復興に向けて力を尽くしていかないといけない」とチャリティーマッチなど支援の大切さを改めて説くと、「ベガルタ仙台やいわきFCが一緒になって東北を盛り上げていきたい」と意欲的に話していた。

(取材・文 児玉幸洋)

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