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デフフットサル日本代表エース候補・鎌塚の新天地が決定

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鎌塚剛史(右)は21日の試合に途中出場し、F2リーグデビュー(背番号2、本人より写真提供)

 3月までイタリアのフットサルリーグ、セリエCのカペッツィオでプレーしていたデフフットサル日本代表・鎌塚剛史が日本最高峰のフットサルF1リーグのひとつ下にあたるF2リーグ・トルレーラ柏に新天地を決めた。すでに7月21日のF2リーグ戦・ポルセイド浜田戦に初めて途中出場。1アシストするなど結果を残した。

「僕がカペッツィオに入団する前に大江トムさんという方がプレーしていて、その大江さんが現在柏に在籍している縁もあり、紹介していただきました。帰国後に練習参加をさせてもらって入団の許可をいただきました。うまい選手ばかりで練習の強度が高いし、毎日充実しています」

 4月に帰国後、大東文化大に復学。群馬の実家から通っていたが、新天地が決まり、柏に引っ越した。板橋と東松山のキャンパスに通いながら、耳が聞こえづらい中で周りの選手ともコミュニケーションをとり、柏で週5回行われる練習に参加。体重も帰国時より2㎏ほど増えたという。

 最近では、筑波大蹴球部に在籍する野寺風吹が関東二部・VELDADEIRO/W.F.(茨城)に決まり、大半のデフフットサル日本代表選手より3段階レベルが高いとされていたが、鎌塚は野寺よりさらに2つカテゴリーが上がる。日本の最高峰に近いレベルで技を磨き、11月のW杯日本代表入りを目指す。

 鎌塚は仲間と共にピッチ外でも戦っている。デフフットサル日本代表は男女でスイスW杯に行く渡航費を捻出するため、目標総額2000万円のクラウドファウンディングに挑戦中。しかし集まった支援総額は26日現在、377万円あまりと苦戦が続いている。

「現状厳しいですね。13~15日に大阪で行われた日本代表合宿でも『なるべく個人で発信しよう』という話になりました。僕も最近、(高校まで在籍した)前橋育英高のサッカー部の山田(耕介)先生のところに挨拶に行きました」(鎌塚)

 道を切り開くために、鎌塚をはじめとするデフフットサルの日本代表戦士はめげることなく歯を食いしばって走り続ける。その先に光が差し込むことを信じている。
(募金の協力を希望する方はこちらから)

(取材・文 林健太郎)

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