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[大学サッカー]伝統の早慶戦は大学No.1FW渡邉2発で早大が勝利!

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[6.20 大学サッカー第59回早慶サッカー定期戦 早稲田大 4-2 慶応大 国立]

 昨年度、全日本大学選手権で11回目の優勝を遂げた名門・早稲田大と天皇杯優勝9回、全日本大学選手権優勝3回の古豪・慶応大が定期戦で激突。早稲田大が4-2で勝ち、通算30勝(18分11敗)を達成した。

 ここ数年関東リーグ2部に低迷する慶応大だが、今年は2部で開幕8連勝するなど首位。総理大臣杯全日本大学トーナメント予選ではブロック決勝で敗退したものの、昨年の関東1部王者・明治大を破るなど実力は関東でもトップレベルにある。その慶応大は4-2-3-1の布陣で、GKは関東大学選抜のGK山本晃司(4年=FC東京U-18)、4バックは右から田中奏一(FC東京U-18)、三上佳貴(2年=藤枝東高)、浅海友峰(4年=広島城北高)、竹田亮(4年=横浜FCユース)。中盤中央は昨シーズンまでJリーグの湘南でプレーしていた中町公祐(3年=高崎高出)と織茂敦(3年=国学院久我山高)のコンビ。その前方には昨年度の全国高校選手権で大活躍した1年生アタッカー・河井陽介(藤枝東高)を中心に関東選抜候補の中川靖章(3年=静岡高)と巻大佑(4年=暁星高)が並び、1トップには主将の大河淳司(4年=慶応NY学院)が入った。
 
 一方、早稲田大は4-4-2の布陣。GKは07年の全日本大学選抜でもある伊藤拓真(4年=前橋育英高)。DFは右から野田明弘(2年=広島ユース)、小川諒(2年=柏U-18)、梅澤誠司(4年=早稲田実高)、元U-19日本代表のDF中川裕平(3年=四日市中央工高)。中盤は塗師亮(4年=東京Vユース)と松本征也(4年=浜名高)を中央に右MFが岩田啓佑(4年=川崎F・U-18)、左MFが菅田恭介(3年=多々良学園高)。2トップには元U-22日本代表の大学ナンバー1ストライカー・渡邉千真(4年)と中川翔平(3年)の国見高OBがコンビを組んだ。

 試合序盤は慶大のペース。前線で動き回る1トップの大河らが相手サイドの深い位置にまで攻め込む。運動量でも相手を上回り、DF陣が早大の攻撃を完全に封鎖した。そして迎えた16分、慶大は巻の右CKを田中が頭で合わせ、先制。6年ぶりの勝利へ貴重なゴールを奪うと、さらに18分には右サイドからのロングパスがPA内の巻の足元に入る。間髪入れずに巻が右足を振りぬくと、ボールはゴール右隅へと突き刺さった。

 2点ビハインドというまさかの展開となった早大は22分、司令塔の塗師をベンチへと下げ、抜群のスピードを持つMF松本怜(3年=青森山田高)を投入。反撃に移ると26分、敵陣でパスカットした松本征が相手DF陣をドリブルで切り裂き、そのまま左足で追撃弾をゴールへと叩き込んだ。勢いに乗った早大は30分、前線へ上がっていた小川が右サイドで相手DF振り切りラストパス。中央の渡邉はフェイントで相手DFのスライディングをかわし、左足を振りぬくがゴールのわずか右へと外れた。
 決定的なチャンスを外した早大だったが、その後も相手DF裏のスペースを執拗に攻めてチャンスを作り続ける。そして41分だ。早大は自陣で得た右スローインから逆サイドへと展開。菅田のパスで抜け出した中川裕の折り返しを中川翔がスルー。フリーで走りこんだ渡邉が左足でゴールへと流し込み同点に追いついた。

 2-2で迎えた後半、慶大は負傷で先発を外れていた1年生ストライカー風間壮志(暁星高)を投入。再び勝ち越しを狙う。開始直後には左FKのこぼれ球を中町が決定的な右足シュートを放った。だが、先に3点目を奪ったのは早大だった。14分、岩田の左CKのこぼれ球に渡邉が反応。一度はDFの網にかかるものの、再び右足を振りぬき、鮮やかにゴールネットを揺らした。この後、慶大は圧倒的な存在感を放つ中町を中心に同点ゴールを狙う。だが、27分に中町のラストパスから迎えた決定機は大河のシュートがクロスバーを叩き、35分には途中出場のMF横川達郎(2年=渋谷幕張高)の右FKに中川が完ぺきなタイミングでニアサイドへ飛び込むも、右足でのダイレクトシュートはゴールわずか左へ外れ、同点ならず。この後、慶大は38分にも竹田の左クロスに中町が合わせるが、早稲田GK伊藤のスーパーセーブにあい、得点できない。
 逆に早大は43分、左クロスのこぼれ球に反応した岩田が個人技からダメ押しゴール。9,514人の観衆を集めた「伝統の一戦」は、2点ビハインドをひっくり返した早大が2年ぶりの勝利を果たした。

(取材・文 吉田太郎)

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