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[高校総体]大津、土壇場の大逆転劇でいざ準決勝へ!(大阪桐蔭vs大津)

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[8.2 平成20年度全国高校総体サッカー競技準々決勝 大阪桐蔭 1-2 大津 埼玉スタジアム第3]

 2日日、高校総体準々決勝が行われ、大阪桐蔭(大阪)と大津(熊本)が対戦。試合は大津が1-2で逆転勝利し、準決勝進出を決めた。

 両チーム共に4-4-2、大阪桐蔭はダブルボランチ、大津はワンボランチの布陣で試合に臨んだ。前半から大津は、FW黒木一輝(3年)、MF西田直斗(3年)、MF松本大輝(2年)の前3人を中心にMF蔵田岬平(3年)など両サイドを絡めたパスワークで試合を組み立てるが、大阪桐蔭のハイプレッシャーの前に、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。対する、大阪桐蔭は、大津の堅い守備に攻めあぐねながらもMF星原雄太(3年)、MF枇椰剛平(2年)がサイドへ、裏への抜け出しが巧いFW矢野隼平(3年)、FW上村直弘(2年)の2トップへ配球するなど、チャンスを伺いながら試合を運んだ。
 試合が動いたのは34分。大津DFの裏をついた大阪桐蔭FW矢野がFW上村から絶妙のパスを受け、DFのマークをずらしてシュート。GKにセーブされるが、パス後ゴール前に詰めていたFW上村が大津ゴール右隅へ先制弾を突き刺した。FW2人の連携が光り1-0で前半を折り返した。
 後半に入ると大津ベンチが動いた。長身DFの藤本大(3年)をFWの位置に上げ、キックの技術が高いDF岩崎司を投入した。「前半は細かく繋ごうとしても相手の落ち着いた守備やポゼッションに巧く封じられた。今大会、流れの中で点をとる事が出来ていなかったので、賭けに出た」。そう話す大津・平岡和徳監督のこの采配を機に、大津は両サイドや中盤からロングボールを入れてはゴールを狙う単調な攻撃が続いた。大阪桐蔭の堅い守備に阻まれる時間が続いたが、平岡監督のその采配が試合終了直前の30分、見事にはまった。
 左CKからDF岩崎がクロスを入れると、ゴール前の藤本がFW黒木に渡し、黒木が咄嗟のオーバーヘッドで同点弾を叩き込む。そしてその1分後、またしても左CKからDF岩崎がクロスを入れると、ゴール前にいたキャプテン藤本が渾身のヘッドで押し込み逆転。土壇場の同点、そして逆転勝利に大津ベンチは沸き立った。
 「最後まで諦めずにキャプテンマークの藤本にどんどんボールを入れていけという指示を選手が徹底的に実践してくれた」と試合後、平岡監督は選手を称えた。同点のオーバーヘッドを決めた黒木は、「ずっと大津のサッカーが出来ない状況が続いたので、FWの役割を果たせて良かった。あのシュートは身体が勝手に反応した」。決勝弾を決めた藤本も「あの状況でも、みんな最後まで勝てると信じ込んでいた、負けるはずがないですよ」と最後までチームメイトを信じた。
 最後まで心折れないチームの強い気持ちが、初のベスト4進出を引き寄せた。3日の準決勝では、昨年覇者の市立船橋(千葉2)と当たるが、FW黒木は「明日も勝って、決勝でメイングラウンドに必ず立ちます」と力強く語った。

<写真>後半30分、大津FW黒木がオーバーヘッドシュートを決める
(取材・文 山口雄人)

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