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[高校総体]攻守に強さ見せた市船橋、連覇へ前進(市立船橋vs作陽)

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[8.02 全国高校総体サッカー競技準々決勝 市立船橋 4-0 作陽 埼玉スタジアム第2G]

 前回大会王者の市立船橋(千葉2)が会心の試合内容で4強へ駒を進めた。06年度全国高校選手権準優勝の作陽(岡山)と対戦した市立船橋は、MF笈川大樹(3年)の2得点の活躍などで4-0で勝利。2連覇に向けて前進した市立船橋は、準決勝(3日、駒場)で大津(熊本)と対戦する。
 市立船橋は4-4-2の布陣。3回戦で出場停止だったDF水野輝(2年)が復帰し、守備の柱・青木將英(3年)とコンビを組んだ。一方の作陽は1年生FW岩崎優を1トップに置く4-2-3-1の布陣をとった。
 素早い寄せからボールを奪い、エース・中村充孝主将(3年)やMF笈川大樹(3年)、左サイドのMF鈴木宏樹(2年)の個人技でボールを運ぶ市立船橋が、前半から試合の流れを自分たちに大きく傾けた。18分、中盤で相手にプレッシャーを掛けた笈川がボールを奪ってそのままドリブルで独走。CBをかわして右足で鮮やかに先制ゴールを決める。さらに21分には左サイドからドリブルで仕掛けた中村の鋭いクロスが相手DFのオウンゴールを誘い、2-0とリードを広げた。
 MF亀井拓実(3年)、MF原田顕介(2年)、MF佐藤龍希(3年)のトライアングルを中心としたポゼッションの高さを活かし、ゴールを目指した作陽はミスからの痛い2失点。28分にDFの裏のスペースを突いたMF吉田凌亮(3年)のシュートなど反撃を試みるが、前半が終わる前にさらに失点してしまう。29分、市立船橋は中村のスルーパスに反応した笈川が右足でゴールを破り、3-0。大きなリードを奪って前半を折り返した。
 作陽は後半開始からFW辻本裕也(3年)とMF村上綾(3年)を投入し、流れを変えようとする。だが、市立船橋は大量リードにも厳しい守備を続け、作陽に反撃の糸口をつかませない。16分には作陽の亀井、左MF村上とボールをつながれ、MF淵本翔太(3年)に決定的なシュートを放たれるがGK若尾直道(3年)がストップ。そのカウンターから一気にゴールへと迫ると中村が個人技でDF、GKをかわして左足でダメ押しのゴールを決めた。作陽は終盤、亀井のシュートなどでゴールを狙ったが、市立船橋のゴールは最後まで破ることができず。市立船橋が強豪対決を4-0で制した。
 「完敗です。今大会3試合目ですけどポゼッションのできた部分と出来ない部分の整理ができていなかった」と振り返った作陽・野村雅之監督に対し、市立船橋の石渡靖之監督は「うちのゲームだったと思う。4得点に目がいきがちですけど、守備がよく頑張ってくれた。作陽はポゼッションのうまいチーム。ファーストDFの対応が遅れないようにチャレンジするように指示を出していた。ウチの2トップの片方が中盤のフォローをして、(相手のポイントである中盤を)うまく挟み込めた」など、無失点に抑えたディフェンス面を高く評価していた。好守でチームを支えた青木は「危ない場面もあったけどしっかり守れたと思う」と納得の表情。攻守で強さを見せつけた市立船橋が連覇へ向け強豪の壁を突破した。

<写真>後半17分、ダメ押しゴールを決めた市立船橋・中村がゴールを喜ぶ
(取材・文 吉田太郎)

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