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[専スポ]専大は神大に完敗。次節にも2部降格の危機

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 第83回関東大学サッカーリーグ戦第20節が7、8の両日に行われ、専大は神奈川大と横浜・保土ヶ谷公園サッカー場で対戦。1部残留に向けて何としても勝ちたい試合だったが、0-3で敗れてしまった。

専大0-3(0-1)神奈川大
[スタメン]
4-5-1
GK:朴泰希
DF:伊藤卓也、渡部博文、飯島康允、藤本修司
MF:関根雄太(81分→中野翔太)、佐伯大成、町田也真人(65分→高原伸介)、小幡純平石井佑季(65分→神村奨)
FW:大西佑亮
(SUB)
GK:菊島孝樹、DF:鈴木雄太、MF:庄司悦大、中野洋平

 専大は前節勝ち点で並ぶ法政大に敗れ、降格圏の11位に転落した。1部に残留できる10位の筑波大と差は勝ち点差2とがけっぷちに立っていた。対する神奈川大も9位と、まさに残留争いのライバル。試合は意地と意地のぶつかり合いが展開された。

 序盤は専大ペース。中盤で細かくパスを繋ぎ、サイドに振る。右からクロスが上がるシーンが多く見られた。また素早い出足からのプレッシングを徹底しており、神奈川大はこれを嫌がった。この光景には、前節の課題が改善されているように見受けられた。

 しかし、サッカーは試合の流れどおりにはいかない。時間とともにプレスはなりを潜め、神奈川大がペースを取り戻す。専大は攻撃に関してはパスの本数こそ多いものの、ただ回すだけで崩すまでにはいたらない。繋ぐことに夢中になりすぎるという、前期によく見られた悪い癖が出てしまっている印象だった。

 嫌な空気が流れ始めた中、35分に先制点を許してしまった。左サイドからのコーナーキックで、意表を突いた低くて速いボールにDF陣のチェックが遅れる。ニアでDF伊池翔吾に頭から飛び込まれ、ゴールネットを揺らされた。

 前節に引き続き、勝たなければいけない試合でまたも先取点を許す厳しい展開。とにかく点のほしい専大だったが、相変わらず中盤ではボールが回るものの、1トップである大西佑亮のタッチ数が少ないせいか、ゴールの匂いが感じられない。前半はこのまま0-1で折り返した。

 負けられない試合。ハーフタイムをはさみ、専大選手たちは逆転に向けて再度自らを奮い立たせたことだろう。「1点差ならまだ大丈夫、逆転できる」と。しかし、すぐにその気持ちを吹き消されてしまった。後半開始わずか4分後、左サイドをドリブル突破され低いクロスをあげられると、中で待っていたFW吉田一樹に頭で合わせられ2失点目を喫した。

 痛い失点となったが、うつむいている暇はない。源平監督は流れを引き寄せるべく、すぐさま手を打った。左ハーフの町田に代えて高原、右ハーフの石井に代えて神村と2枚同時投入。高原は右サイドバックに入り、伊藤が一列前へ。神村はそのまま本職であるフォワードの位置で、小幡がトップ下から左サイドへ移動。点を取るべくより攻撃的な4-4-2へとシフトした。

 一度はペースを取り戻したが、しかし終盤、再び神奈川大にペースを奪われる。そして悪夢の3失点目を許してしまった。75分だった。ハーフウェーライン付近でバウンドしたなんでもないこぼれ球。これをなんとMF小池翔が力いっぱいにシュート。するとボールはぐんぐん伸び、飛び出していたGK朴の頭上を越えて、ワンバウンドしてゴールネットへ。専大イレブンは肩を落とし、完全に言葉を失っていた。
 
 この日の結果で順位こそ変わらず11位だが、筑波大が勝利したために、代わって法大が10位に。残留圏10位との勝ち点差は3に開いてしまった。今季残りは2試合。間違いなく残留に赤信号が灯ってしまった。最悪の場合、次節に降格が決定する。

<写真>中盤でボールを回す専大イレブン

【次節降格の条件】
☆専大が△の場合
→法大が○かつ筑波大が○または△

☆専大が●の場合
→法大が○または△

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以下は試合後のコメント

●源平貴久監督
―試合の感想
「大事な時にこの結果。相手も決して良い内容ではなかった。2部の時から何度もやってきて、おそらく今日が一番弱い神大だったのにこの点差というのは、ウチの今の状態を表している。他会場で法大が負けてくれたので、わずかだが残留へ望みは残った。可能性がある限り戦っていきたい」

―守備としては“寄せの甘さ”が招いた失点に思えたが?
「その通りです。“ニアに気をつけろ”と言っておいたのにやられた。意識の甘さ、そこが最大の問題だった」


渡部博文主将
―試合の感想は?
「自分たちのミスが全て。ウチのほうが優勢だったが、向こうの勢いに負けてしまった。神大は全員守備みたいにコンパクトに固めてきたのでやりづらかった。ただ回しているだけじゃ勝てない。最後の部分、ラストパスの精度やサイドをえぐってのクロスなど、やりたいことができないと」

―次節に向けて
「可能性は低くなってしまったが、残留をあきらめてはいけない。修正点はいっぱいある。わかっているのにそれが結果に表れない。今のチームには1対1など、勝負にこだわることが必要だと思う」

(取材・文 専大スポーツ 馬場 雄也)

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