[12.23 全日本大学選手権準々決勝 流通経済大1-1(PK3-5)関西大 平塚]

　第58回全日本大学サッカー選手権は23日、準々決勝を行い、関西大(関西2)は流通経済大(関東1)を1-1からのPK5-3で下し、3年ぶりのベスト4進出を決めた。26日の準決勝では明治大と対戦する。

　前半から互いにチャンスをつくった好ゲームは決定力を問われる展開となった。流通経済大は前半37分、FW船山貴之(4年)のスルーパスを受けたMF金久保順(4年)が絶好機を迎えながら、シュートをゴール上に浮かしてしまう。

　逆に関西大は前半41分、DF田中雄大(3年)のサイドチェンジを受けたMF藤澤典隆(3年)が鋭い切り返しでDFをかわすと、フリーで走り込んだDF宇佐美宏和(4年)に横パス。宇佐美は豪快な右足ミドルを叩き込み、先制に成功した。

　リードを奪った関西大は後半立ち上がりもペースを握っていた。しかし、後半9分、船山の右クロスからMFベロカル・フランク(3年)のゴールで流通経済大が同点に追いつくと、流れは一変する。

　一気に逆転ゴールを狙う流通経済大は猛攻を仕掛け、立て続けにチャンスをつくる。後半15分には船山がDFをはねのけ、シュートを打つが、ゴール右へ。同21分にも金久保のスルーパスから船山が抜け出し、GKと1対1になるが、シュートはGK児玉剛(4年)が体を張って防いだ。

　流通経済大は後半29分、ベロカルに代えてMF宇賀神友弥(4年)をピッチに送り込み、さらに攻勢を強めるが、関西大の堅い守りを打ち破れなかった。

　関西大もカウンターからチャンスをつくり、勝ち越すチャンスはあったが、互いに決め切れず、試合はPK戦へ。PK戦では流通経済大の3人目、FW武藤雄樹(3年)のキックをGK児玉がセーブ。先攻の関西大は5人全員が成功させ、PK5-3で競り勝った。

　勝負を決める5人目のキッカーを務めた関西大のDF田中雄大(3年)は「ピンチはあったけど、GKを含めたDF陣が我慢強くできたと思う」と強調。「前線からも追ってくれていたし、延長に入っても走り負けないと思っていた。負ける気はしなかった。最後は気持ちで流経に勝った」と力強かった。

<写真>PK戦5人目、関西大のDF田中雄大(左)が決めて勝負あり

(取材・文　西山紘平)

---

特設:大学選手権09