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[目指せJFL!2010コラム]YSCC、夢は終わらず!クラブ設立25周年の来季こそJFLへ

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1986年に創設された日本でも歴史の古い市民クラブY.S.C.C.(横浜スポーツアンドカルチャークラブ)が、JFL昇格を懸けて戦う第34回全国地域サッカーリーグ決勝大会の1次ラウンドに挑む。昨年のリベンジを目指して戦うが、今年もチームの理事長・吉野次郎氏が“YS情報”をお届けする。

<道遠く>

 地域リーグ決勝大会の日程が終了しました。残念なことに昨年同様の結果となり、悔しい思いでいっぱいです。

 2敗で臨んだ最終日。アクアラインの向こうに見える決戦の地は、霞掛っていてどこか幻想的な空間であり、これから始まる死闘の前の静けさを感じました。

 昨年と同じ結果にはするまいと、布陣を変えて臨んだ最終戦。パルセイロにほとんど良いところを出させずにゲームは進みました。幾度となくゴール前に迫り、チャンスをものにしようとシュートを打ちにいきますが、なかなか得点には至りません。

 2トップの連動性が高く、相手のDF組織をかき回し、ラインに穴を開けます。須原からの配給が、抜群のタイミングで相手DFラインの裏を突く青田にピンポイントでパスが通ります。そうしたチャンスがありながらも得点には至らず時間は刻一刻とタイムアップに近づきます。

 終了間際のコーナーキックには守護神の浜村もゴール前に攻撃参加。混戦の中から放たれたシュートはゴールカバーに入ったDFにクリアされ、万事休す。

 昇格の望みがなくなったPK合戦に、2年連続して臨む選手たちには、1年を振り返った悲しみが大きく降り注ぎ、立ち尽くすものや泣き崩れるものもいましたが、子どもたちの「YSCC!!」「YSCC!!」というコールに発奮し、勝ち点2をあげて今回の終演となりました。

 2010年、ワールドカップイヤーであり、リベンジを目論んで「プライド10」と位置付けた今年に結果を出すことはできませんでした。昨年同様の流れを払しょくすることができなかったことが誠に残念であり、応援いただきました皆様には言葉もありません。

 結果が出ませんでしたので、負け惜しみでしかありませんが、選手たちはよく戦ってくれました。またフットボールの神髄を極めようとするクラブの姿勢に応えてくれたゲーム内容には、全てにおいて満足することはできませんが、駆けつけてくれた子どもたちには、お手本となるフットボールが展開できたと思います。

 そうした意味ではフットボールに対するフィロソフィーは表現できていた部分があると思っています。「勝つサッカーをしないのか」と問われることがあります。単純に「ボールをゴール前に放り込む、縦志向のサッカーで相手ゴールに迫る」といったフットボールをすれば……と言われますが、フットボールの基本技術となるパス。そのパス一本は“言葉”です。

 思いや願いを込めて、丁寧にパスをつなぎ、相手を揺さぶり、逆を取り、予想を立てさせないタイミングで、一気に相手を切り裂き、ゴールシーンを作り出す。そこに醍醐味があると思っています。ゴールシーンが足りずに敗退することとなりましたが、その極みを求めて、出直したいと思います。

 1次ラウンドも含め6日間にわたって応援いただきました方々には、御期待に添うことができず大変申し訳ございません。さらに進化させたフットボールで、クラブ設立25周年の来年には「待ってろ!!JFL!!行くぜ!!」を実現したいと思います。ご声援ありがとうございました。

※今大会の試合結果などはコチラ↓で確認してください。
▼関連リンク
第34回全国地域決勝大会特集ページ

(文 吉野次郎)

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