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[総体]守備立て直した東福岡は最近の公式戦9試合で2失点、注目GK脇野はU-18代表復帰狙う

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[5.31 全国高校総体福岡県予選決勝 東福岡高 1-0 筑陽学園高 小郡陸]

 8-1で大勝した東海大五高戦は「脇野のビッグセーブが2本あった」(東福岡高・森重潤也監督)。そして決勝では最終ラインの背後を突いてくる筑陽学園高の攻撃を体を張って死守した。決勝ではDF陣が確実にシュートブロックしていたこともあり、U-18日本代表候補GK脇野敦至(3年)が派手なセーブをするようなシーンはなかったが、それでもゴール前で存在感のあった守護神が福岡連覇に大きく貢献した。

 今春、東福岡の失点が目立っていたことを考えると、守備陣の立て直し、脇野の復調は非常に大きい。シーズン序盤は脇野がビッグセーブを2本、3本しても失点数を減らすことができず、注目守護神にとっても苦悩の時期を過ごすことになった。それでも「失点した場面を思い出してそこを練習したり、コミュニケーション取って守備の確認したり。DFも良くなってきていると思う」というように、失敗した経験を振り返り、突き詰めてきたことがその後の好結果につながってきている。

 高校年代最高峰のリーグ戦である高円宮杯プレミアリーグWESTではC大阪U-18との開幕戦で6失点したものの、続く優勝候補・G大阪ユース戦を1-0で切り抜けるなど第2節から第6節までの5試合をわずか1失点。チームは3位まで順位を上げた。そして「最後まで集中切らさずに完封勝利できた試合が増えた」というチームは総体福岡県予選も4試合1失点で優勝。最近の公式戦9試合でわずか2失点という安定ぶりだ。

 チームの守りは確実に上向き。だが脇野は決勝後に自身が感じた課題を口にした。「結構相手はFKとかだったらどんどん放り込んでくる。ハイボールが多くなるので出ていこうかなと思っていたけれど、(ハイボールを放りこんでくる相手と)日ごろからやっていないから出ていけなかった。帰ってからは、蹴ってくるチームに対してハイボールに出るという課題が出たので経験を積んでいきたい」と引き締めた。全国総体ではまた課題を改善した姿を見せるつもりだ。
 
 全国総体の目標は自身も活躍した昨年に続く連覇。個人的な目標はU-18日本代表への復帰だ。「(3月にU-)18の候補合宿呼ばれてから呼ばれていないので、一つひとつの質を上げて代表に最終的に呼ばれるように。18のGKは固定じゃなくて回っているので自分にもチャンスはある。アピールしていきたい」。将来、日本代表の背番号1を背負って活躍するという大目標を持つ注目守護神がチームのさらなる勝利に貢献して自身をアピールする。

[写真]味方のバックパスが大きく乱れたシーンがあったが、脇野は落ち着いて対応

(取材・文 吉田太郎)
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