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[総体]決勝リーグでまさかの連敗、全国初出場狙う“タレント軍団”興國は後がない戦いに:大阪

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[6.4 総体大阪府予選決勝リーグ第2節 興國高 0-2 大阪学院大高 J-GREEN堺]

 300人近い部員間の競争を勝ち抜いてピッチに立っているタレントたち。興國高は内野智章監督が「史上最強やと思います」というほど、手応えあるチームに仕上がっている。スキルと判断力を兼ね備えたタレントたちが繰り出す華麗なポゼッションサッカーが特長だが、この日は良さが見えないまま敗戦。前節に退席処分を受けた影響でこの日、スタンドから試合が見た内野監督はポジショニングや判断のスピードを欠いた試合を厳しく指摘していた。

 強さと正確なキックを武器とする注目CB長井一真主将(3年)やこちらも注目のSB今掛航貴(3年)、アンカーのMF加田淳哉(3年)中心にボールを動かしたが、この日は2人のインサイドハーフ含めてアタッカー陣がブレーキに。相手のハイプレスの前に判断を欠き、テンポ悪く、同じミスを繰り返すなど指揮官も「こんなにアカン試合は……」と首をひねるしかなかった。

 試合後、2年生エースFW大垣勇樹は特に厳しい言葉を指揮官からぶつけられていた。高い身体能力を備え、連動した動きからゴールを陥れる10番は将来のプロ入りを期待される才能。決勝リーグ初戦の履正社高戦は復調の兆しが見えていたというが、この日は消極的なプレーでチームを救うことも、スカウト陣にアピールすることもできなかった。全国大会出場のために、大勝が求められる決勝リーグ最終節・東海大仰星高戦で爆発するか。全体ミーティングの後で長井主将と話し合った2年生エースは涙を流しながら10番、先発の座を懸けて大一番に臨むことを決意していた。

 内野監督は「きょう見えたものもある」。悔しい敗戦も今後へ向けた成長、結果に繋げる構え。東海大仰星戦で勝利しても、全国出場は他力本願の状況だが、敗戦から切り替えた印象の選手たちが爆発力を示して、できることをやりきって、夏の予選を終える。

[写真]興國を牽引するCB長井

(取材・文 吉田太郎)
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