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J注目FW高橋が先制の直接CK!神村学園がセットプレー3発、被シュートゼロで鹿児島準決勝突破!

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前半34分、神村学園高はFW高橋大悟主将が直接CKを決めて先制

[5.26 全国高校総体鹿児島県予選準決勝 神村学園高3-0 鹿児島高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場A]
 
 平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)への出場権を懸けた鹿児島県予選は26日に準決勝を行い、新人戦との県内2冠を狙う神村学園高がJ注目のエースFW高橋大悟主将(3年)の先制CKなどによって鹿児島高に3-0で快勝。神村学園は27日の決勝で鹿児島実高と戦う。

 どの相手でもサッカースタイルを変えずに「攻め倒す」ことを目指す神村学園が、11年度以来6年ぶりとなる全国総体出場へ王手を懸けた。この日は中盤の並びを変えてMF田畑拓武とMF原田啓史(ともに3年)のダブルボランチで試合に臨んだ神村学園は前半から完全にボールを支配。サイドを変えながら横の揺さぶりをかけて、相手の守りに穴を開けようとする。

 そして、右MF中上黎士と左MF山中映人(ともに3年)の仕掛けや左SB大迫龍太(3年)の縦へのドリブルも活用しながら攻めた。15分には中上がDF2人を振り切ってPAへ持ち込み、20分には原田のインターセプトから1人で持ち込んだ山中の左足シュートがクロスバーを叩く。

 その後もFW大山尚一(3年)の左クロスに高橋が飛び込んだり、大山がドリブルシュートを放つなど攻めたが、鹿児島も最終ラインと中盤の選手が相手を挟み込んでボールを奪うなど好守によって対抗。特にCB勘場洸志主将(3年)とCB武田章吾(3年)の両DFがカバーリングやボールを奪い切る部分でも健闘して、チームを勇気づけていた。

 神村学園は攻めながらも1点が奪えない展開。だが原田と田畑がよくボールを奪い取っていたほか、最終ラインで存在感を示していたCB中島賢悟やCB野見山智也(ともに3年)が相手に攻撃機会を与えない。警戒していた鹿児島MF新井太陽(3年)にも全く仕事をさせなかった。

 そして、厳しいマークを受けていた注目エースがセットプレーでゴールを奪う。34分、神村学園は右CKを得ると、キッカーの高橋が味方選手たちにゴールエリアに固まるように指示。そして左足を振り抜くと、ボールは好守を見せていたGK米澤将(2年)の頭上を越えてそのままゴールネットに吸い込まれた。

「(スコアボード上部の)旗が風で強く揺れているのが見えたので、強く吹いた時に狙いました」という高橋を中心に神村学園が歓喜を爆発させる。この貴重な1点によって神村学園が1-0で前半を折り返した。

 ハーフタイムに神村学園の有村圭一郎監督は「前半はボールを回すだけで、動きがなかった」ことを指摘。それによって後半はパスワークの中で田畑や原田、山中がスペースを突いてドリブルで駆け上がる回数が増加した。後半立ち上がりに高橋が連続で迎えた決定機は決め切ることができなかったが、12分に高橋の右CKから最後はこぼれ球を山中が左足で決めて2-0。そして28分には田畑の左CKを野見山がバックヘッドで決めて3点目を奪った。

 相手GK米澤の好セーブなどがあり、流れの中から得点することができなかった神村学園だが、この日は有村監督が「ずっとセットプレーが取れていなかった。でもきょうは(確認していたこともあって)『セットプレーで取れそう』という話をしていたんです」というセットプレーで3得点。また今大会無失点の守備陣は相手に最後までシュートを1本も打たせることなく快勝した。

 2年前の主将、CB中島宏大(現東海学園大)を兄に持つ中島は「今まで行っていない先輩たちの気持ちもありますし、今年は絶対に行かないと行けないので、みんなで攻めて、攻めて、攻め勝って決勝でも圧倒できたらいいと思います」。神村学園は全国屈指の攻撃型チームだが、近年は攻めた際のリスクを考え過ぎてゴール前に人数が足りない、という反省点もあった。今年は特に攻めることにこだわってきた神村学園が、決勝でも鹿児島実を「攻め倒して」全国舞台に立つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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