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前日の苦戦が糧に。3ゴールで宮城県工下した仙台育英が地元開催の全国総体へ!

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仙台育英高が2年連続となる全国総体へ

[6.4 全国高校総体宮城県予選準決勝 仙台育英高 3-1 宮城県工高 宮城スタジアム]

 4日、平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)の出場2枠を懸けた宮城県予選の準決勝が行われ、仙台育英高宮城県工高を3-1で下して、2年連続18回目の全国総体出場を決めた。

 前半、仙台育英はFW佐藤一輝(3年)、FW仲澤岬希(2年)の長身2トップへサイドからクロスボールを入れて決定機を作り、宮城県工はカウンター攻撃からFW阿部友祐(3年)やMF浅見優人(2年)がゴールを狙った。

 試合が動いたのは25分。仙台育英はMF小室彩人(2年)がファーサイドを狙ったCKを放つ。宮城県工GK星龍也(1年)がパンチングで防ごうとしたが、弾いたボールがゴールに入り、オウンゴールで仙台育英が先制した。

 対する宮城県工も果敢に攻め込み、35分、ゴール正面で得た直接FKのチャンスで左SB西山慶(3年)がグラウンダーの直接FKをゴール左隅に決めて同点に追いつき、1-1で前半を終えた。

 仙台育英としては追いつかれる嫌な形で前半を終えたが、「1点は入れたけれど、一波乱あると思っていて、1-0で勝とうというつもりはありませんでした」と城福敬監督は積極的に2点目を取りに行かせようと後半選手たちをピッチへ送り出した。

 これが功を奏して後半5分、仙台育英は小室のクロスからゴール前で混戦になり、「うまく(佐藤)一輝がボールを奪って、自分のところにボールが来たので、流し込むだけでした」と語るMF千葉奨(3年)が左足でシュートを決めて再び宮城県工を突き放した。

 これで勢いづいた仙台育英は23分、キャプテンの右SB石川巧実(3年)が宮城県工GK星の位置を見て「思い切りGKに向けて蹴ろうと思った」というロングキックは風に乗って、星の頭上を越えてゴールに入った。「ラッキーだった」と城福監督も語る通り、あまりにあっけない形で入った追加点が、試合の流れを決定づけた。その後は落ち着いて相手の反撃をしのいだ仙台育英が3-1で勝利した。

 追いつかれても落ち着いて後半に入り、立ち上がりから積極的に前に行けたことが仙台育英の勝因だった。「あれがかえって良かったですね」と城福監督が振り返ったのは準々決勝仙台三高戦。前半2点を挙げながら、後半2点を追いつかれ、延長で何とか突き放した試合だった。「昨日のことを生かして、まだ同点なんだとポジティブに考えました」と石川も仙台三戦の経験をプラスに変えたという。

 全国総体は決まったが、石川は「宮城で優勝して全国へ行くのが目標」と決勝に向けて気を引き締めた。石川は「自分たちは特殊なサッカーはできませんので、止める・蹴るであるとか、スプリントの回数を増やすとか、ベーシックなところを高めたいです」、千葉は「技術面では全国の強豪に劣るかもしれませんが、気持ちで絶対負けないようにして、全国でも優勝したい」と全国総体への意気込みを語った。昨年は1回戦で悔しい敗戦を喫したが、地元開催の全国総体では、得意のサイドアタックを生かし、上位躍進を目指す。 

(取材・文 小林健志)
●【特設】高校総体2017

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