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付属中で全国初出場の世代と外部出身の好選手融合。高校でも全国狙う暁星国際が東海大浦安破り、千葉8強

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苦しみながらも競り勝った暁星国際高イレブンが大喜び

[6.10全国高校総体千葉県予選決勝T1回戦 暁星国際高 3-2 東海大浦安高 流通経済大柏高G]

 10日、平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技千葉県予選決勝トーナメント1回戦で暁星国際高と東海大浦安高が激突。後半39分にFWフィリップス丈二(3年)が決めた決勝点によって暁星国際が3-2で競り勝った。暁星国際は11日の準々決勝で日体大柏高と戦う。

 2度のリードを追いつかれ、特に後半は押し込みながらもなかなかチャンスを活かせない展開となったが、暁星国際の桑原剛監督は「延長戦を含めてバランスを崩さずにやること」「最後の1分で決めきる」ことを考えていたという。今年の暁星国際は小柄な選手が多いものの、運動量と技術力に長けている選手が多く、“持久戦”は得意。実際、暁星国際がボールを動かして攻め続けたことで後半、東海大浦安は足を攣らせる選手が増えてきていた。

 そして、試合終了1分前に決勝点が生まれる。暁星国際はこの日推進力十分の突破を繰り返していたFW日高太一(3年)がドリブルで中央突破。そして、スルーパスに反応したFW下川尚哉(3年)が左足シュートを打ち込むと、GKが弾いたボールをフィリップスが押し込んで決勝点を奪った。

 試合最終盤に仕留めての勝利。GK野村光彩主将(3年)は「回して、相手を疲れさせてというところが自分たちの特長としてあるんで、自分たちのスタイルで取れたのかなと思います」と胸を張っていた。

 暁星国際にとっては良さを出したと同時に一発勝負の難しさも体感する試合となった。前半6分に日高のゴールで先制した暁星国際だったが、10分にミスを突かれて東海大浦安FW村瀬祐介(3年)に同点ゴールを奪われてしまう。CB國嶋賢志朗(3年)のゴールで再び勝ち越したが、前半終了間際に今度はMF野村駿(3年)に決められて2-2。後半開始直後には相手の大型MF宮垣武(3年)にゴールマウス直撃の右足シュートを打たれるシーンもあった。

 だが、バタバタしてしまった前半から気持ちの切り替えができていたという暁星国際は、落ち着いて攻め、相手を押し込んで試合を進める。そして右MF中島大翔(3年)からのクロスや日高、FW高橋義和(3年)の仕掛けなどからチャンスをつくり、シュートを打ち込んでいく。高橋のヘッドがクロスバーを叩いたり、抜け出しからフィリップスが放ったシュートが相手守備陣の好守にあったほか、カウンターから右SB平野凌太郎(3年)のクロスなどでチャンスをつくってくる東海大浦安の前に苦しい戦いとなったが、攻め続けて勝ち越し点。準々決勝進出を決めた。

 暁星国際は昨年、“弟分”の暁星国際中が全国中学校大会で準優勝。千葉県内では数少ない中高一貫指導によって力を磨かれている強豪校だ。この日先発した中では野村と日高、CB水島典昭、左SB加藤拓海(ともに3年)の4人は2年前に暁星国際中が関東大会初出場初優勝、全国中学校大会初出場を果たした時の一員。歴史を変えた世代に、外部から好選手たちが加わった今年は高校での全国出場が目標だ。

 野村は「全国という目標はずっと言っている」。その目標を達成するためにまずは今年2敗の日体大柏を突破すること。「アタッキングサードからの崩しは自信がある。守備がどれだけ守れるかが課題。(過去2敗の)反省を活かしてしっかりと戦いたい」(桑原監督)という暁星国際が次も難敵から白星をもぎ取る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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