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CB安松主将「一つのプレーでもサボったらダメ」。集中力切らさずに走りきった日大藤沢、3試合連続無失点で全国へ

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3試合連続無失点。全員で走りきって全国切符を勝ち取った日大藤沢高イレブン

[6.17全国高校総体神奈川県予選準決勝 座間高 0-1 日大藤沢高 ギオンス]

 2年ぶりとなる全国出場を決めた試合後、日大藤沢高のCB安松元気主将(3年)は「素直に嬉しかったです、関東で負けて目標にしていたのが全国だったので。目の前の1試合1試合を全力で勝とうと言って戦ってきたので嬉しかったです」と素直に喜びを口にしていた。

 佐藤輝輝監督もトレーニングから全力でチャレンジし、試合でも頑張り抜いてきた選手たちを讃えていたが、主将も同じ思いだった。そして、抗がん剤治療を乗り越えてチームに戻ってきたMF柴田晋太朗(3年)を涙ながらに肩車して、誇らしげに喜ぶ佐藤監督を見て「ああいうことをやってくれる。自分たちと一緒に喜んでくれる監督がいてくれて良かったです。監督も熱い気持ちで応えてくれた」と指揮官やスタッフたちに感謝していた。

 優勝を目指した関東大会予選で準々決勝敗退を喫するなどチームが結果を残せず、上手く行かない状況の中で指導者たちに思いをぶつけたこともある。「本音をぶつけ合ってもう一個上に行けたと思います」と安松。一日一日の練習へ取り組む姿勢をより徹底し、わずかなサボりも許さないチームになった。

 それはこの日、ピッチの上で表現されていた。序盤からFW柏木純やFW桐蒼太(ともに3年)、FW比留間輝(2年)という強力アタッカー陣が積極的に仕掛けを繰り返し、特に交代出場したFWギブソン・マーロン・マサオとFW三田野慧(ともに3年)が見せた迫力ある攻守は心打つものがあった。また安松やGK竹内暢希、MF小屋原尚希(ともに3年)らの身体を張ったプレーに1年生MF植村洋斗や2年生MF梶山かえでら下級生も全力で応えるかのうように走り回っていた。

 そして全員で掴んだ勝利。DFの柱である安松にとっては無失点で勝ったことがその喜びをまた大きくしていた。川和高との初戦では3失点。「全員で反省して、何回もビデオ見直して、そこから3試合無失点で行けていることは凄く守備陣としてはプラスにとらえていいと思う」と課題を修正して守り勝ったことについて、笑顔を見せていた。

「本当に80分でゲーム決めることが目標だった。一つのプレーでもサボったらダメですし、守備はチーム全員でやっていかないといけないので、自分は一番後ろでみんなを鼓舞することを意識してやっています」。

 今回の総体予選は病気と戦う仲間を全国へという思いが何よりも強かった。その中で貪欲に勝利を目指し、勝つために80分間集中して守り、走り、勝ち切る集団になってきている。全国までにその力をさらに磨いて、一つでも上へ勝ち上がる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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