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初優勝を懸けた一戦…奈良を制したのは生駒!! 香芝に4発快勝でインターハイ初出場!!

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初のインターハイ出場を決めた生駒高

[6.5 インターハイ奈良県予選決勝 生駒高 4-0 香芝高 会場非公表]

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体2022」男子サッカー競技の奈良県大会決勝が5日に行われた。両チーム共に初優勝を賭けた生駒高香芝高による決勝戦。4-0の勝利を収めた生駒が初めてインターハイへの切符を勝ち取った。

 立ち上がりから積極的にゴールに向かっていったのは、香芝。前半3分、MF中川柊(3年)の蹴った右CKをファーにいたDF野志樹(3年)が頭を合わせるも、弾き返される。その後も中川を中心としてアタッキングサードに持ち込み、FW阿部秋哉(3年)、MF上野日史(2年)がシュートを打つも、ゴールネットを揺らすことができない。

 一方の生駒は、連携の取れた香芝の守備に対して大きなサイドチェンジや相手選手の間を通す短いパスなどで打開を図るものの、なかなかゴール前に迫ることができずにいた。

 試合が動いたのは前半34分。その10分前に投入され、足元の技術の高さで局面を打開しようとしていたMF本田翔陽(3年)が、スローインを足元にピタッと収めるとゴールに向かう。そこを倒され、PKを獲得。本田自身がこれを右足で確実にゴールに収め、生駒が先制して折り返した。

 生駒の古田泰士監督は、「前半は相手に押され、点を奪われなかったのも、点を取れたのも幸運だった」と振り返る。ハーフタイムには、もう一度気を引き締めて試合に臨むように声をかけ、選手たちを後半戦へと送り出した。その生駒は後半、合計3つのゴールを奪う。

 後半8分、本田が中央から左前へ大きくパスを出すと、それを受けたMF木之下南瑠(3年)がゴール前に持ち込んでシュートを決め、2点目。同24分にはFW竹中悠人(3年)が左サイドをドリブルで突破し、自ら右足を振り抜いて3点目。同33分には、竹中からパスを中央で受けた木之下が再びゴールを奪い、4点目。

 後半の飲水タイム、すでに2点差になっていた香芝のキャプテン・DF小倉優成(3年)が自分のポジションとは逆サイドにあるスタンドの前に1人駆けて行き、観客席で応援する人たちに向けて「必ず追いつきます。12番目の選手となって、共に戦ってください。応援よろしくお願いします」と深々と頭を下げる一幕があった。その直後には、小倉がその言葉通りに意地でもゴールに迫ろうというシーンもあった。点差こそ開いてしまったが、準優勝の香芝は、決勝戦に相応しい熱い戦いぶりを見せた。目の前にあった優勝を逃した悔しさは、冬に向かう大きな成長の糧となるだろう。

 初優勝を果たした生駒のキャプテン・MF佐藤航(3年)は、「自分たちの代は、頑張るのはもちろんだけれど、楽しんでやりたいと思っている選手も多い。ネガティブでない言葉を選んで声を掛け合い、それでうまくいけば、また良い声が出て良いプレーを楽しくやれる。そういうところを意識してやってきた」と話す。生駒にとって、これまで経験したことのない夏がやってくる。この決勝戦で見せたように、苦しい時は皆で細やかに声を掛け合いながら、全国の舞台でプレーする楽しさを感じてきてもらいたい。

(取材・文 前田カオリ)
●【特設】高校総体2022

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