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代表、注目選手だから、ではなく向上心が原動力。大会屈指のボランチ、前橋育英MF徳永涼主将は勝ってまた反省

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前橋育英高のU-18日本代表候補MF徳永涼主将が厳しいマークを受けながらも前進。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.24 インターハイ1回戦 前橋育英高 1-0 長崎総合科学大附高 鳴門大塚]

 今大会屈指のボランチは、一際高いレベルを自身に求めている。V候補の一角、前橋育英高は、初戦の緊張もある中で長崎総合科学大附高に苦戦したが、1-0で勝利。U-18日本代表候補MF徳永涼主将(3年=柏レイソルU-15出身)は、ドリブルでの中央突破やハイサイドへ駆け上がってのクロス、そしてスルーパスで決定的なシーンを演出していた。

「こういう大事なゲームで自分がゴールの一個手前になったり、ゴールを奪うということは今大会で意識しているところ」と徳永。世代屈指のゲームメーカーは、強みでもある鋭いアプローチで相手のカウンター攻撃に対する防波堤にもなっていた。一方でサイドチェンジのキックをミスしたり、チャレンジのパスを通し切れないシーンも。徳永は攻守に存在感を発揮しての勝利にも、満足した様子は全く見せなかった。

「自分の目標はあくまでロストがゼロであったり、高いレベルにあると思うので、そうでないといけないと思うので、きょうの自分のプレーに関しては満足はできなかった」と首を振る。

 注目選手だから、代表選手だから、ではない。「自分自身の単なる向上心とか、意欲とか、どういう状況に置かれても上を目指したいので。妥協はどういうシチュエーションでも変わらないと思います」。チームに貢献する選手、勝たせる選手になりたい。全国制覇を目指すインターハイは勝つことと同時にチームと自身を成長させる場。現時点でできることに精一杯取り組んで白星を勝ち取り、課題を見つけて成長に繋げる意気込みだ。

「チームのために走って戦うことが一番にあって、その次に個人でどう違いを出せるかというところがあると思うので、その自分の武器を出すことがチームのためになるようにこれからの試合も取り組んでいきたい」

 この日の初戦は「全員が納得していないゲームで、だからこそ勝てたことに意味があると思うし、勝って兜の緒を締めるという言葉みたいな感じで、次の試合へ向けて準備しなければいけないと思っています」。各選手の運動量、ポジショニングの質を欠いたことを反省。ただし、苦戦しながらも勝ったことを前向きに捉えて準備し、聖和学園高対札幌光星高の勝者と戦う3回戦はよりチーム、個人の内容を向上させて勝つ。

(取材・文 吉田太郎)
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