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「楽しみでしかない」U-16代表候補歴持つ実力者、東邦MF森一琉は神村学園との初戦を歓迎

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東邦高(愛知)のエースMF森一琉(FC.フェルボール愛知→サガン鳥栖U-18)はインハイ出場校同士の戦いで存在感

「楽しみでしかないですし、自分がどれだけできるかとか、相手には日本代表とかいるので、そこでどれだけできるか試したいです。強い相手とやれることで成長に繋がるので嬉しかった」

 29日のインターハイ初戦の対戦相手は、U-17日本代表MF名和田我空(2年)やMF吉永夢希(3年)、U-17日本高校選抜FW西丸道人主将(3年)らタレントを擁して前評判の高い神村学園高(鹿児島)。高校年代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグWESTで攻撃力を発揮しているチームとの初戦だが、東邦高(愛知)のエースMF森一琉(FC.フェルボール愛知→サガン鳥栖U-18)はこの強敵と戦うことを「楽しみ」「嬉しかった」と歓迎した。

 東邦はインターハイを控えた7月21日から23日に第12回堺ユースサッカーフェスティバルへ参加。22日には同じくインターハイ出場校の丸岡高(福井)に3-1で逆転勝ちした。プロ注目のCB朴勢己主将(3年)が抜群の高さを発揮。また、フィジカルとドリブルに自信を持つMF山端寧生(2年)は強烈な突破力を見せたほか、サイドからのラストパスを正確にゴールへ沈めて2得点をマークした。

 中でも印象的な動きを見せていたのが、森だ。かつてU-16日本代表候補に選出され、強豪・鳥栖U-18で1年生レギュラーも務めていたMFは、スキルやアジリティの部分で相手との差を生み出していた。DFの厳しいチェックにも余裕のあるボールキープ。視野の広さも活かし、ドリブル、パスでボールを前進させてフィニッシュシーンに係った。

 山端の同点ゴールの場面では、森がニアでDFを引き付けて巧みにスルー。本人は「まだゴールに行くということができていない。まずゴールを目指さないと怖くないですし、その中で味方を使ったりとか、活かしていけたらなと思っています」と首を振っていたが、3点目の起点にもなるなど勝利に貢献していた。

 森にとって、インターハイは昨年度の選手権に続く全国舞台だ。治療に専念するため、佐賀から地元・愛知の東邦へ。高校1年時の7月から3月までサッカーをできない時期もあった。その期間に「サッカーが好きだというのが分かった」というMFは、逆境を一つ一つ乗り越えて活躍中。コンディションは「100ではないですけれども、近い形に上がってきている」というだけに、神村学園のタレントたちとどこまで渡り合えるか楽しみだ。

 今年の東邦はMF深澤奏(3年)やDF名古屋佑乃介(2年)らを含めて個のレベルが高い。選手たちは打倒・神村へ意欲。丸岡戦でインパクトのある動きを見せていた山端も、「縦への推進力とかが上がったので神村戦でもそれを出せるように頑張っていきたい。燃えるっす。世代別代表も何人かいるので倒したい」と宣言していた。

 森は自分が勝利へ導き、1つでも上へ勝ち上がる考えだ。「自分がやらないとついてきてもらえないし、(自分も)日本代表だったというのもあるので、強く気持ちを持ってやっていきたい。まだこっちの高校に来て良い舞台に立っていることも少ないですし、見てもらえる機会も少ないので、ここで結果を残していかないといけない。初戦勝つことで見てもらえる機会とか増えてくると思いますし、去年選手権行って勝てていないので、まず1勝というところを意識してやっていきたいです」と力を込めた。開催中の日本クラフユース選手権ではプレミアリーグ勢を破るチームが続出。インターハイでは東邦が打倒・プレミア勢を成し遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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