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デザインされたFKから主将の「左」が炸裂。市立船橋引っ張るMF太田隼剛が先制点

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前半23分、市立船橋高MF太田隼剛主将(3年=鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身)が先制ゴール

[7.30 インハイ2回戦 市立船橋高 2-2(PK8-7)大津高 忠和公園多目的広場B]

 大一番で自認する勝負強さを発揮した。前半23分、市立船橋高(千葉)は右中間でFKを獲得。右SB佐藤凛音(3年)とのデザインされた動きから、MF太田隼剛主将(3年=鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身)が得意の左足を振り抜く。これが鋭い軌道を描いてゴール左隅へ決まり、先制点となった。

「練習の中でああいうデザインを何個かしていたので、打った瞬間に『入った』と思いました。ああいう舞台は自分の中でも強いという認識があったので、『絶対に取ってやろう』という思いがあって、熱くならずにしっかり冷静に蹴れたのも一つ要因なのかなと思います」。責任感強いリーダーの決めた先制点。波多秀吾監督も太田の気持ちの込もった一撃を称賛していた。

 この日は中盤で距離感を保ちながら、大津高(熊本)の“危険人物”MF碇明日麻(3年、水戸内定)らをケア。本人は前へのアプローチの部分や配球について満足していなかった。また「出した後とかにゴール前とかもっと絡んでいければよりチャンスになると思うし、もう一個ゴール前に飛び込んでいくプレーとかを増やしていければ自分が目指している攻撃的なボランチ、ゴールに係るボランチというのはなれると思う」。大一番勝利にも反省の弁ばかり。それでも、主将の存在の大きさを感じさせる1勝だった。

 主将は的確な言葉でチームを引き締め、自身は市立船橋の三原則である球際、切り替え、運動量を実践。今年の市立船橋はプレミアリーグEAST11試合でわずか1敗と粘り強く、徐々に勝ち切るチームに変化してきている。

 自分にもチームにも厳しい主将がいるからこその変化。太田は「自分が変えられていたら良いんですけれども。内川(遼)や(佐藤)凛音や郡司(璃来)が本当に声をかけてくれて、3年生がベンチメンバーも含めて本当に良く声をかけてくれている。3年生が良く引っ張ってくれているので、自分はそれを引っ張るだけ」。ただし、求める内容、結果もまだまだ。前後半で仕留め切るチーム、また失点せずに勝ち切るチームを目指し、主将はこの後の戦いでも声を張り上げ、誰よりも戦って試合を決める。
 
(取材・文 吉田太郎)
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