UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)は3日、準々決勝第2戦を行い、バルセロナ(スペイン)対ミラン(イタリア)の一戦がバルセロナのホーム、カンプ・ノウで行われた。試合は前半にFWメッシが2つのPKを沈め、後半8分にもMFイニエスタが追加点を奪うなど、効果的に得点したバルセロナが3-1で勝利。第1戦を0-0で終えていたため、2戦合計得点でも3-1とし、バルセロナが5季連続の4強入りを勝ち取った。準決勝ではチェルシー(イングランド)とベンフィカ(ポルトガル)の勝者と対戦する。

　先週水曜日(3月28日)の第1戦からバルセロナは、MFセイドゥ・ケイタとFWアレクシス・サンチェスを外して、MFセスク・ファブレガスとFWイサク・クエンカを起用した。システムも3-4-3に変更された。一方ミランは、右SBにDFダニエレ・ボネーラに代えて、DFイグナツィオ・アバテを起用した以外は第1戦と同じメンバーを組んだ。

　一週間前、28日にサン・シーロで行われた第1戦では、お互い得点をあげることが出来ず、スコアレスドローに終わった。注目の第2戦は、開始早々からバルセロナが攻め立てる。前半7分、右サイドからDFダニエウ・アウベスがゴール前にクロス。セスク・ファブレガスが右足で落として、メッシが胸トラップ後、右足で狙ったが、これは惜しくもゴール左に外れてしまった。

　なおも攻めるバルセロナは11分、左サイドをドリブルで突破したメッシがPAに侵入し、マイナスクロス。MFシャビが受けて、中央のダニエウ・アウベスにパス。これはミランDFにカットされるが、こぼれ球を拾ったメッシがゴールへ向かって切り返す。すると、たまらず後ろからDFルカ・アントニーニがスライディングで引っかけてしまい、バルセロナはPKを獲得する。これをメッシがきっちり左隅に沈め、先制点を奪うことに成功した。メッシ自身、これで今大会13得点目。これは欧州CL1大会最多得点記録を更新し、通算ゴール数も50ゴールの大台に乗せた。

　先制後も勢いの衰えないバルセロナの攻撃がミランゴールを襲う。前半25分には左サイドのMFイニエスタが中央のメッシにパス。メッシは右足を素早く振りぬいたが、GKの正面を突いてしまった。

　しかし、バルセロナの一方的展開が続く中、ミランがワンチャンスをものにする。前半32分、FWロビーニョから中央でボールを受けたFWイブラヒモビッチが前線にスルーパス。反応したMFアントニオ・ノチェリーノがゴール前に抜け出し、飛び出したGKビクトル・バルデスの動きを冷静に見極めて、ゴール中央に流し込んだ。

　追いつかれたバルセロナだったが、思わぬ形で勝ち越しに成功する。前半41分、左サイドからのCKでゴール前で混戦の中、ミランDFネスタがMFセルヒオ・ブスケツを引っ張って倒してしまい、またしてもバルセロナはPKを獲得する。これをまたもメッシが今度はゴール右隅に決めた。今大会の得点を14に伸ばすとともに、通算得点を51得点とし、アンリ(現NY・レッドブルズ)の記録を抜いて単独3位に浮上。再びバルセロナが勝ち越しに成功した。

　なんとか同点としたいミランも前半ロスタイム、ゴール正面絶好の位置でFKを獲得するが、イブラヒモビッチのシュートは壁に跳ね返された。2-1とバルセロナが1点をリードして前半を折り返した。

　次の1点をめぐり、激しい攻防が見られるかと思えた後半、バルセロナがあっさり追加点を奪う。後半8分、中央にドリブルで切り込んだメッシのシュートが、スライディングでシュートブロックにいったDFフィリップ・メクセスの足に当たり、イニエスタの前にこぼれる。GKと1対1になったイニエスタは、右足で冷静にゴール右隅に蹴り込んだ。

　2点リードを奪ったバルセロナは、さらに迫力のある攻撃を見せる。セスクがゴール前のメッシめがけて縦パスを入れると、メッシがゴール前にスルーパス。シャビに代わり途中出場していたMFチアゴ・アルカンタラがゴール前に抜け出し左足シュートを放ったが、これは惜しくもゴール右に外れた。

　得点を奪いたいミランも前線から激しいプレスをかけ、ボールを奪いに行くが、焦りとは裏腹になかなか好機を見いだせない。後半25分には、MFケビン・プリンス・ボアテングに代えてFWアレシャンドレ・パトを投入するが、そのパトが後半38分に負傷退場。空回りの続いたミランに反撃する力は残っていなかった。

　試合は3-1で終了。ホームで完勝したバルセロナが、注目の一戦を制しベスト4進出を決めた。

【決勝トーナメント準々決勝】
[第2戦]
☆バルセロナ 3-1 ミラン
[バ]リオネル・メッシ2(11分、41分)、アンドレス・イニエスタ(53分)
[ミ]アントニオ・ノチェリーノ(32分)
※2戦合計3-1でバルセロナが準決勝進出

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