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[コマスポ]首位奪還ならず、終了間際に失点喫す

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[駒大スポーツ ゲキサカ版]

JR東日本カップ2012第86回関東大学サッカーリーグ2部・第10節は16日、駒澤大学玉川グラウンドで駒澤大vs東洋大が行われた。3週間ぶりにリーグ戦が再開し、首位対決となった東洋大戦。ホーム駒澤で行われた一戦だったが前半のうちに2点のリードを許す。その後一度は追い付いた駒大だったが、後半ロスタイムに失点し惜敗を喫した。

 勝利に対する気持ちがこの試合を左右したのかもしれない。総理大臣杯予選では関東5位で、2部リーグの中では最高位に付け本戦出場を決めた駒大。このままの勢いで臨みたいところだったが連戦からの影響か、ボランチでチームのバランスを保つMF若山瞭太(3年=加藤学園暁秀高)はベンチスタートと、少し顔ぶれを変え挑んだ。それに対する東洋大は同予選で一回戦敗退を喫し、この日に懸ける想いは駒大を大きく上回っていた。

試合開始直後からその闘争心は窺われた。駒大のハイプレスにも慌てずに対応し、スピーディーなパス回しから野崎桂太(4年=浦和北高)にボールを集めた東洋大。首位に立つプライドを見せつけるように、立ち上がりから牙をむき攻撃を仕掛けた。これに圧倒された駒大は、「試合の入りが悪かった」と選手が口を揃えて振り返ったように、本来の形がなかなか見いだせず。すると迎えた16分、与えたCKから野崎の打点の高いヘディングで先制点を許す結果に。その後も防戦一方の展開を強いられると25分、流れるようなパスワークから最後はまたも野崎にネットを揺らされ、その差を2点とされる。

失点後、輪になり守備について確認し合った駒大は、ここから動揺することなく冷静な試合運びをみせた。ボールが収まり始めると29分、最大のチャンスが訪れる。右サイドでMF山本大貴(3年=ルーテル学院高)からのパスを受けたMF湯澤洋介(4年=矢板中央高)が、PA内を得意のドリブルで突破を試みると相手DFに倒されPKを獲得。ボールをセットしたのはキック精度に絶対の自信を持つMF碓井鉄平(3年=山梨学院大学附属高)だった。静まりかえる会場のなか「取ってくれた湯澤くんに感謝」(碓井)と、気持ちのこもったシュートはキーパーの逆をつき一点差に詰め寄る。得点後は、両者一歩も譲らない攻防戦が繰り広げられ、1点ビハインドのまま前半を終えた。

 早く追い付きたい駒大は、後半に入ると早い時間に攻撃的なFW菊池将太(1年=浦和東高)・MF小牧成亘(2年=ルーテル学院高)を立て続けに投入する。これでリズムを取り戻し、両サイドから徹底した早いクロスを入れチャンスを作っていく。52分には絶好の位置でFKを獲得。碓井の狙い澄ましたシュートは枠をわずかに外したが、その後さらに大きな得点機を迎えた。それは78分、山本が左サイドから裏へ抜け出し強引に中央へと切り込む。シュート直前に後ろから足を掛けられると、この日2度目となるPKをもぎ取る。蹴るのはもちろん、先ほどPKを成功させている背番号8。「緊張した」と試合後に口にしたが、これもしっかりとキーパーの逆に流し込み同点に追いついた。

 2点差からふり出しに戻しただけに、この後悲劇が待ち構えているなど誰も考えなかっただろう。時計は90分をまわり表示されたロスタイムは4分。駒大が猛攻を仕掛け首位取りに全力を尽くすと前傾姿勢に。勝ち越し弾も時間の問題に思われたが、終了直前にボールを奪われるとそのままカウンター攻撃を受け失点。残された時間もなく、首位独走体勢に入り喜びを爆発させる東洋大を横に悔しさを噛みしめる結末となった。

 「最後まで諦めないでやった。一生懸命やったので仕方ない」と、秋田浩一監督は現実を受け止めるとともに、試合内容に不満を抱いてはいない。上位を突き進む2チームの間にその差はないとも言える。天皇杯予選への出場権は手に出来なかったが、それだけの力を兼ね備えていることは間違いない。1部リーグへの復帰、全国大会での上位進出など少しでも上を目指すためにも、最大限の持ち味を発揮することが求められている。下を向いている暇はない。

[写真]終了間際に得点を許して敗戦

(文 駒大スポーツ 佐藤亮)
(写真 同 射手真矢)

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