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[コマスポ]雨中の4失点、昇格が遠のく…

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[駒大スポーツ ゲキサカ版]
[10.14 関東大学2部第16節 駒澤大2-4朝鮮大 朝鮮大G]
 
 JR東日本カップ2012第86回関東大学サッカーリーグ2部・第16節は14日、朝鮮大学校グラウンドで駒澤大vs朝鮮大学校が行われた。前節2位との差を4へと縮め、昇格へ望みをつないだ駒大は、勝利を目指し前半から攻勢を仕掛ける。立ち上がりわずか5分で先制すると、ペースを保ったまま後半へ。後半立ち上がりにも得点し、流れは完全に駒大かと思われたが、1失点目をきっかけに朝鮮大が猛攻。なすすべなく4失点し、昇格に向け厳しい黒星となってしまった。

 アウェー朝鮮大グラウンドで、相手の激しい応援が飛び交う中試合は行われた。だが、その中でも慌てずに、先制点を奪ったのは駒大。MF湯澤洋介(4年=矢板中央高)のロングスローに、FW山本大貴(3年=ルーテル学院高)が競り合う。こぼれてきたところに待ち構えていたのはMF碓井鉄平(3年=山梨学院高)。ワンバウンドしたボールをインサイドで確実にとらえると、「打ったら入るかなという感じだったので、きれいに入ったのでよかった」と振り返る芸術的ループシュートで先制に成功した。その後もワントップに入っている山本が、裏への飛び出しを何度も見せ、惜しい場面を作った。17分、22分にはCKから立て続けに決定的シュートを放つが、朝鮮大DFも必死のブロックを見せる。追加点こそ奪えなかったものの、前半は選手が躍動感のあるプレーを見せた。

 対する朝鮮大は、自慢のフィジカルだけでなく、パスをつなぐところはつなぐ、ということを意識してサッカーを展開。テクニックのあるFW金弘淵(4年=東邦高)が引いてパスを受けにくるなど、選手ごとがポジションチェンジをしながら、ゴールへ迫ってきた。それでも、DF三澤祥馬主将(4年=三菱養和SCユース)が「前半に関してはそんなにやられてはないかなと思っていた」と話したように、ピンチを招く場面はそれほど多くはなく、無失点のまま前半を終了する。

 後半に入り、2点目が是が非でも欲しいところだったが、わずか3分でその願いがかなう。中央でボールを受けた湯澤が、横にスライドしながらドリブル。山本へスルーパスを送ると、左足で中へ折り返す。ここに待ち構えていたのは、セットプレーの流れで前に残っていたDF平尾優頼(2年=市立船橋高)。クロスを確実に押し込み、欲しかった追加点を奪った。このゴールで流れに乗るかと思われたが、2失点目後から、朝鮮大がロングボールを多用してきたことにより、「ディフェンスラインが下がってしまって、前線は前に行って、間延びしてしまった」(碓井)。中盤にスペースが生まれ、朝鮮大に攻め込むすきを与えてしまった。すると17分、その空いた中盤を突かれ、MF金秀奎(4年=京都朝鮮高)にミドルシュートを打たれる。ゴールキーパが一歩も反応できず、1点を返された。ここで流れを食い止めることが出来ないのが今の駒大。失点からわずか5分後、フリーキックからまたしても金(秀)。壁に当たりコースが変わる不運はあったものの、2点のリードを5分間でふいにしてしまった。

 流れを変えたい駒大は、72分にFW宮城雅史(4年=具志川高)を投入。前線に高さをプラスし、勝負を仕掛けてきた。30分にはその宮城が思い切りの良い左足ミドルを放つが、これはわずかに上へ。すると悪夢が待っていたのは33分だった。ロングボールに駒大DFがクリアしきれず、ボールを拾われる。金(秀)がクロスを上げると、中で合わせたのは途中出場MF金容寿(4年=大阪朝鮮高)。左足できれいに合わせて3点目。2点リードをついにひっくり返される。さらに36分には、前掛かりになったところを突かれカウンターからMF李宋(広島朝鮮高)がディフェンダーとの1対1を冷静にかわし、落ち着いて流し込んだ。これで2-4。悔やんでも悔やみきれない後半4失点で、屈辱の敗戦を喫した。

 試合後、秋田浩一監督は「DF力がない。キーパーを含めて、払拭できればいいがなかなか」と話し、ディフェンス陣の課題を述べた。平尾も「勝たなければいけなかった。後期の課題である失点の多さがまた出た」と話し、選手個人も十分に理解している。やはり問題は気持ちの部分か。立て続けに失点する試合が続き、盛り立てるチームリーダーが不足していることも課題だ。三澤は「(主将として)行動で示すしかない」と話し、自らが変わっていく必要性を述べた。大黒柱の変革が、チームに良い影響をもたらすと信じたい。
 
 桐蔭大が勝ったため、2位との勝ち点差は7へと広がってしまった。昇格が厳しい状況となったが、まだまだあきらめてはならない。残り6試合、全勝して、天命を待つほかないだろう。もう失うものは何もない。反骨精神で全力のプレーを見せ、観衆を沸かせてほしい。

[写真]平尾のゴールで駒大は一時2点のリードを得たが…

(文 駒大スポーツ 森下和貴)
(写真 同 射手真矢 )
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