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「高校の時、たまたま活躍しただけと思われるのは嫌」昨年度高校選手権得点王の東洋大FW仙頭が決勝弾

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[10.5 関東大学リーグ1部第15節 順天堂大1-2東洋大 古河]

 昨年度の高校選手権得点王の注目ルーキー、東洋大FW仙頭啓矢(1年=京都橘高)が決勝点を叩きだした。1-0で迎えた後半17分、右サイドでボールを受けた仙頭は強引に中央へ仕掛ける。「雨というのもあったので、何か起こればいいと思った。がむしゃらに行ったらこぼれてきてラッキーやったと思います」とDFとの1対1からこぼれたボールを上手く収めると右足シュートをゴールヘねじ込んだ。

 決して試合内容が悪かった訳ではないが、チームは最下位に沈む苦しい状況。継続的に起用されているだけに責任も感じていた。「ずっと勝ってなくて、1年の自分が出て上級生の出れてない選手の不満もあると思うんですけど、信頼してもらうためにはゴールとか勝利しかないと思う。チームに貢献できるような1年でないと、『何でコイツが出てんねん』、ということになると思う。そこを上級生からも『コイツやから出ていてもいい』と思ってもらえるような選手になりたいと思っている。毎試合結果にはこだわっていかないといけないと思います」と結果が欲しかった。その中で決めた決勝ゴールだっただけ、試合後は充実した表情を見せていた。

 高校選手権の活躍で一気に上がった知名度。全国的に無名だったアタッカーは“選手権の顔”となった。そして迎えた大学1年目。重圧はもちろんある。ただ「チーム自体が結構苦しい状況にあって、ここで結果を残さないと『高校の時、たまたま活躍しただけ』と思われるのも嫌ですし、意地でも来年のために1部に残りたい気持ちがある。だからこそ結果にはこだわらないといけないと思っている」と前向きに乗り越える姿勢を見せている。

 大学サッカーから5選手がリオデジャネイロ五輪へ向けたU-20日本代表に選出されたことも刺激になっている。大学サッカーで再び活躍してプロへ、代表へ。高校時代は最後の大会で夢が叶った。「高校の時もずっと夢見てたことが、国立でできるということが叶ったりして、『夢は諦めなかったら叶う』ということを一回経験したので、どんなこともやろうと思っている。そういう経験があるから、今も下向かずに上向いて頑張っていこうというのがあります」。まずはチームの1部残留、そして可能性がまだまだある全日本大学選手権出場を果たすこと。注目の1年生が周囲の期待を上回る結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)
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