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[ケイスポ]裏天王山を制し降格圏を脱出

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[慶應スポーツ ゲキサカ版]
[11.17 関東1部・後期リーグ第21節 慶応義塾大3-1東洋大 三ツ沢]

今季リーグ戦も残るはあと2試合。熾烈な残留争いも佳境を迎え、勝ち点2差の中に4チームがひしめく大混戦となっている。慶大は現在勝ち点19で最下位。今節の相手は慶大と勝ち点の並ぶ11位東洋大だ。絶対に負けられない戦いは、前半に相手に先制点を奪われるも、後半に怒涛の反撃で3発快勝。同時刻に行われた日体大が敗れたため一気に降格圏を脱出。自力での残留も可能となった。


 残留争いという緊張感の中、先に点を取られたくないという思いから両チーム非常に慎重な立ち上がりとなった。中盤でボールを奪われてカウンターを受けないよう、細かくパスをつなぐのではなく、DFラインの裏に長いボールを放り込む単調な攻めが目立った。しかし時間の経過とともに風上に陣取る東洋大がボールを支配し始め、慶大を自陣にくぎ付けにしていった。すると30分、左サイドに張っていた仙頭が溝渕雄志(1年=流通経済大付柏高)をかわし鋭いシュートを放つ。しかしこれは久保飛翔(2年=済美高)のブロックに阻まれる。しかしこれで得たCKから黒須に頭で合わせられ、先制点を許してしまう。その後も風下の慶大は相手ゴール前までボールを運ぶことはできてもシュートを打つことができず前半を1点のビハインドで折り返した。

 前半終了時点で、同時刻キックオフの日体大がリードしていたため、慶大は勝利しなければ2部降格が決定してしまう状況となった。「取りに行くしかないから前半以上にハードワークして逆転しよう」(須田監督)。その言葉通り、慶大は後半から攻守にわたって運動量を増やしていく。風上にたった慶大は、相手の疲れもあり徐々にボールを支配し始める。すると54分端山豪(2年=東京Vユース)のCKから相手のオウンゴールを誘い同点に追いつくと完全に主導権は慶大へ。64分には再び端山のFKのこぼれ球を武藤嘉紀(3年=F東京U-18)が押し込み逆転。さらにその3分後には武藤が落としたボールに増田湧介(3年=清水東高)が豪快なシュートを決め3-1。その後も武藤、端山を中心に東洋大ゴールに詰め寄るも追加点をあげるには至らず。82分には長らく怪我で戦列を離れていた山浦新(3年=東京Vユース)が約5か月半ぶりに公式戦のピッチに戻ってくる明るい話題も。終盤、東洋大の意地から攻め込まれる場面もあったが、終始ペースを握り続け、勝ち切る老獪さを見せた慶大が裏天王山を制し貴重な勝ち点3を手にした。

以下、慶応義塾大の試合後のコメント

●須田芳正}}監督
―今日の試合を振り返って。
「勝利あるのみだったので勝ててよかったと思います」

―前半は押される展開となったが。
「前半は我慢してというところで、失点は余計だったんだけど、特に風下だったので、後半勝負だったんで仕方ないんじゃないかな。まあプラン通りだったんじゃないかな」

―ハーフタイムの指示は。
「1失点してしまったので前から取りに行こうと。守備の仕方を確認して。あとは取りに行くしかないから前半以上にハードワークして逆転しようという話はしました」

―課題をあげるとしたら何か。
「前半の部分でディフェンスのところで特に右サイドのところでもう少しプレスをかけなければいけないのに、ずるずる引いちゃう部分があったので、今ブロックを作ってディフェンスしようということだけどボールホルダーに対してはもう少し厳しくいこうっていう修正を今週やっていきたいなと思います」

―最終節に向けて。
「最後の最後なんで悔いを残さないような戦いをしたいし、あとは今の目標である残留に向かって勝利あるのみなので、相手がどこであろうと全力でこの1週間準備していきたいなと思います」

松下純土主将(4年=國學院久我山高)
―今日の試合を振り返って。
「前半0-1で折り返して、勝ちがマストだったんで、向こうは後ろからつないでくるチームだったんですけど、前からはめて押し込もうというのが上手くはまったというのと、セットプレーを昔から重点的に攻守において練習してきて、今日失点はしてしまったんですけど、その練習の甲斐もあって得点も取れたというのはすごい大きかったのかなと思います」

―前半は自分たちのペースに持ち込めなかったが。
「結構相手に持たれるというのは想定してたんですけど、そこでずるずる下がってしまって押し込まれる場面が多かったんで、そこは後半しっかり前から行くことを意識して3点とれたんですけど、やっぱり前半は上手くペースがつかめなかったかなと思います」

―ハーフタイムにはどういった話があったか。
「負けてたんで取りに行くしかなかったんで、前から行って押し込もうという指示で、結構早い時間帯で追いつけたんで、これは勢いでいけるなと僕も思ってましたしみんなも思ってたんじゃないかなと思います。そのあと2点取れたんで良かったです」

―日体大の試合の情報は入っていたか。
「僕は知らなかったんですけど、ハーフタイムの時に放送されるじゃないですか。あれで俺聞いちゃって(笑)うわー日体勝ってんのかって。それで最終的な結果は終わった後知りました。でもあんまり意識はしてなかったです。ここで勝たないと日体の試合とか全然関係なかったので、本当にここで勝つことだけをみんな意識してたと思います」

―次節へ向けて。
「相手どうこうというより自力残留できるということで、僕らの手で残留を勝ち取ることができるので、この1週間は本当に最高の1週間にしたいと思います」

武藤嘉紀(3年=F東京U-18)
―今日の試合を振り返って。
「前半悪い流れで失点してしまって自分達のサッカーがうまく出来ないなかで、後半逆転しようっていう気持ちをみんなが持ってたので、その面で最後まで諦めずに出来たことが良かったと思います」

―チームとしてどのようなテーマを持って今日の試合に臨んだか。しっかりと引いて守って、そこから速攻でカウンターという形でした」

―勝ち越し点について一言。
「端山が速いクロスを上げると知ってたので、こぼれ球をしっかりと狙ってました」

―次節に向けて一言。
「自力で残留出来る立場になったので、緊張せず、次も自分達のサッカーをして自力で残留したいと思います」

(取材・文 慶応スポーツ 青山直樹)

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