beacon

[ケイスポ]攻守がかみ合い快勝!充実のスタート 明大戦

このエントリーをはてなブックマークに追加
[慶應スポーツ ゲキサカ版]
[4.6 関東1部・リーグ第1節 慶應義塾大2-0明治大 川口市青木町公園総合運動場]
 
 昨シーズンの雪辱を誓うべく、慶大の新たな1年が幕を開けた。試合開始直後に先制に成功するが、その後はボールを保持される展開が続く。しかし、昨シーズンから重点的に取り組んでいる、一丸となった守備で相手を封じ込める。すると、後半に待望の追加点を奪取。そして最後まで粘り強いディフェンスを披露し、見事に好スタートを切った。

 慶大は序盤、積極的な入りを見せる。6分にはCKを獲得。端山豪(3年=東京Vユース)がファーサイドに送り、望月大知(2年=静岡学園高)が頭で折り返す。これに反応したのは宮地。FWとして心機一転を図る男の1発でリードを奪う。「堅守速攻」を掲げる中で先手を取り、理想的な試合運びを披露する。だが、その後にアクシデントが襲う。CKの流れから、ゴール前にボールがこぼれる。端山が間一髪のクリアで難を逃れるが、このプレーで相手選手と接触し負傷。苦悶の表情を浮かべたまま、22分に浅間翔大(4年=暁星高)との交代を強いられてしまう。攻守の要を失い、暗雲が立ち込めた慶大。だが、守備時の味方同士の距離感が良く、相手のボールホルダーに対して自由にプレーをさせない。溝渕雄志(2年=流通経済大柏高)が一度は振り切られるも、粘り強い対応でボールを取り返すなど「個人」の守備も光った。自陣でのプレーが続く中、前半の終了間際には立て続けに明治のゴールを強襲し、良い流れのままハーフタイムに突入する。

 1点リードで迎えた後半は中盤のプレスがかわされ始め、9分と15分にピンチを招く。これは相手の決定力不足に助けられると、18分に慶大の反撃。保田隆介(4年=横浜FMユース)の縦パスを受けた加瀬澤力(2年=清水東高)が、前線の宮地元貴(2年=東京Vユース)に絶妙なスルーパスを供給する。しかし、宮地はこれを決めきれない。すると、運動量が落ち始めた慶大に苦しい時間が続いてしまう。ここで峯達也(4年=桐光学園高)がスーパーセーブを連発してチームを鼓舞すると、待望の追加点が生まれる。33分に途中出場の平戸奨眞(4年=暁星高)が持ち込みシュートを放つと、そのボールが加瀬澤の下へ。加瀬澤は落ち着いてネットを揺らし、勝利を決定付けた。アディショナルタイムには明大の決死の猛攻を受けるが、集中した守備を見せて逃げ切った。

 全員攻撃、全員守備。選手たちは試合後に「自分たちのサッカーが貫けた」と、一定の成果に手応えをつかんだ。須田監督は、昨シーズンの低迷の原因は開幕からつまずいたことだと考えており、それを踏まえると今節の勝利は会心だったと言えるだろう。次節は、昨シーズンのインカレで準優勝と結果を残した国士大が相手である。厳しい戦いが予想されるが、初戦から今シーズンの目指すべき形が垣間見えた。それを今後も貫くことができれば、一気に飛躍する可能性を秘めている。

試合後の監督・選手コメント

●須田芳正監督
―今日の試合を振り返って
「2月からやってきた守備の部分がしっかりと真面目にやることができたので、気持ちが全員乗っていたのでいいゲームができたと思います」

―立ち上がりの先制点について
「先手を取るというのが我々のサッカーにとって重要だったので、一本先に取ったというのは、ゲーム展開としてはすごく良かったと思います」

―守備の陣形が終始コンパクトだったが
「去年の後半ぐらいから徹底してやってきた部分ですし、去年は失点が52点と非常に多くてそこの部分は本当に個人としても組織としてもトレーニングしてきたので、効果はよく出ていたと思います」

―次節に向けて
「(これからも)我々はこういったゲームになると思います。苦しいゲームをどれだけ集中して失点をゼロにして、勝ち点を積み重ねるかというところなので、また謙虚にやっていきたいと思います」


増田湧介主将(4年=清水東高)
―今日の試合を振り返って
「自分たちがこの2月にシーズンインして、これまでやってきたことをしっかり出せたので、結果として実って良かったと思います」

―守備の面での改善が見られたが
「シーズンが始まるときに、今年はしっかり守備から入ろうということを、チーム全体を通してそのような意識を持ってやってきたので、今日はできたかなと思います」

―自身のプレーを振り返って
「チームが勝てたことは良かったですけど、個人的にはもっと守備でも攻撃でも相手を圧倒しないといけないと思うので、攻撃では得点に絡めるように、守備では相手が嫌がるプレーができるようにやっていきたいです」

―次節に向けて
「開幕に勝てたことはすごく良かったですけど、リーグ戦は次勝たなければ意味がなくなってしまうので、気持ちを切り替えて次(の試合)に向けて心も体もいい準備をしていきたいと思います」

(取材・文 慶應スポーツ 木下彰)

TOP