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[ケイスポ]数的不利を耐え、価値あるドロー 国士大戦

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[慶應スポーツ ゲキサカ版]
[4.12 関東1部リーグ第2節 慶應義塾大0-0国士大 味の素スタジアム西競技場]

 開幕戦で強豪の明大を相手に勝利し、幸先の良いスタートを切った慶大ソッカー部。今節では昨季のインカレ準優勝校・国士大との一戦に臨んだ。試合は前半に端山豪(3年=東京Ⅴユース)が退場し、10人での戦いを強いられる。それでも、セットプレーなどから数的不利を感じさせない攻撃を披露。さらに、守備でも峯達也(4年=桐光学園高)のPKセーブなど最後まで集中を切らさず、貴重な勝ち点1を獲得した。

 開幕戦を勝利した慶大は、前節と同じスターティングメンバー。欠場が危ぶまれた端山もスタメンに名を連ねた。両校共に昨季は守備の面で苦しんだ時期があり、今は堅守速攻でカウンターからゴールを狙う。開始早々、左サイドからのクロスに山浦新(4年=東京Vユース)が頭で合わせるも、枠をとらえられない。その後は互いに攻めあぐねる展開。国士大は慶大のDFの裏を狙ってロングボールを放っていくが、並木凌介(4年=國學院久我山高)、望月大知(2年=静岡学園高)の両CBがはね返す。緊迫した流れで終始進んだ前半だったが、終了間際に思いがけない展開が待ち受けていた。中盤での競り合いの中で端山の足が相手の顔面に入ったとして、レッドカードで一発退場となってしまう。

 後半から慶大は、増田湧介主将(4年=清水東高)をボランチへ、加瀬澤力(2年=清水東高)を左ハーフへ移し4-4-1で臨む。国士大ペースの試合になるかと思われたが、「逆に10人になってやることがはっきり」(須田芳正監督)したことで国士大ゴールを脅かす。後半立ち上がりの3分と7分に、小坂慎太朗(2年=浦和ユース)のFKから望月、宮地元貴(2年=東京Vユース)が決定的なチャンスを迎える。ミスが相次ぎ浮足立つ国士大に対して、慶大はその後も攻勢を強めるが、得点を挙げることはできない。チャンスをものにできずにいると、次第に流れは国士大へ。そして25分、ペナルティエリア内でファールを犯し、PKを献上。しかし、このピンチで峯が見事にPKをセーブし、再び流れを引き寄せる。27分には、カウンターから最後は宮地がヘディングシュートを放つも、枠を捉えることはできず。両校共に攻撃的な選手を投入して1点を奪いにいくが、両守備陣が身体を張った守りでゴールを割らせず、0-0で勝ち点1を分け合う結果となった。

 昨季までのような、数的不利になってずるずると失点を重ねる姿は、そこにはなかった。かわされても必死に相手にくらいつき、「失点をしない」ということへの強い意識をピッチ上の11人全員が共有していた。峯のPKセーブも、ある意味必然だったのかもしれない。次節は、リーグ戦ではここ数年で勝利のない中大との一戦。特に昨季の後期は1-6と大敗を喫している。あの日から生まれ変わった新生慶大ソッカー部がリベンジに挑む。

(取材・文 慶應スポーツ 飯田駿斗)

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